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[教育基本法] 愛国心など8理念盛る 改正案最終答申
2003 年 3月 20日
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文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」(鳥居泰彦会長)は20日、教育基本法の見直しを求める答申をまとめ、遠山敦子文科相に提出した。「21世紀を切り拓(ひら)く心豊かでたくましい日本人」を育成するため法改正が必要だとし、「公共の精神」や「日本の伝統・文化の尊重、郷土や国を愛する心」「男女共同参画社会への寄与」など8項目の理念を盛り込むよう求めた。文科省は今国会に改正法案提出を目指す。1947年の制定以来、戦後の教育理念を支えてきた同法は、56年ぶりに改正へ向け動き出す。
答申では、家庭教育の役割や、学校、家庭、地域社会の協力の必要性なども盛り込むよう求めた。また、国の教育目標や具体的政策を示す「教育振興基本計画」に法的な根拠を与えることも提言した。同計画は今後、5年ごとに文科省が定めるもので、同省では計画に盛り込む目標として、いじめや校内暴力の半減や学力向上、大学改革など43項目を例示している。
答申は、現行条文も大半を生かすよう提言していることから、改正法案は限定的になるとみられる。 【澤圭一郎】
教育基本法に関する中央教育審議会答申は、現行法の理念を尊重し、部分的な手直しを求める内容となった。改正が限定的なだけに、今後作成される改正法案などで趣旨がどう具体化されるか見極めないと、教育現場にどう影響するか判然としない。しかし、半世紀以上にわたって手つかずだった同法に「時代に合わない部分がある」と明言した意味は大きく、学校教育法の改正や学習指導要領の改定などにつながれば、現場を大きく変化させる可能性もある。
今回の見直しは00年12月、故小渕恵三首相が発足させた「教育改革国民会議」が提言したことに始まる。自民党には大幅改正を求める意見が強かったが、答申は「郷土や国を愛する心」などを盛り込むよう求めたものの、大筋で現行法の理念を踏襲した。同省幹部は「『中教審は政治から中立』という意思が強く働いた結果」と話す。
その分、小手先の見直しとの印象が強く、「結局、積極的な改正の意味が見出だせなかったのではないか」(堀尾輝久・東京大名誉教授)といった厳しい見方もある。
今後、文科省は与党と協議しながら法案を作成するが、ここでは文科省の裁量の余地も大きい。国会審議でもさまざまな意見が出ることが予想される。改正論議は緒についたばかりだ。 【澤圭一郎】
[毎日新聞3月20日] ( 2003-03-20-15:01 )