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交流電車で102マイクロテスラ(約1ガウス)もの磁界を浴びるケースが
あることは驚きです。
産業衛生学会総会予稿集より
産衛誌 45巻, 2003
F016
日常生活における電磁場曝露について
○川島正敏、川島陽子、大里厚、吉積宏治、古木勝也、東敏昭
産業医科大学 産業生態科学研究所 作業病態学研究室
【背景】
溶接作業など電磁場曝露が高い職場において、その程度と健康影響との関連に
ついての調査報告が散見される。
しかし、職場以外の日常生活における曝露レベルが様々であり、職業性電磁場
曝露と健康影響の原因一結果系を充分説明するに至っていない。
【目的】
日常生活を中心とした環境での磁場の曝露の測定し、職業性電磁場曝露と健康
影響との関連性を考慮する上で必要となる背景情報を資すること。
【対象と方法】
対象はオフィス職場に勤務する作業者5名。EnviroMentor杜製の磁場測定器
(ML1)を腰部に装着し、10または20秒間隔で個人曝露の24時間連続測定を行っ
た。
測定周波数帯は30Hz〜2000Hz。測定期間は2001年10月から2002年12月で、期間
中の計150日間に3287時問分の記録を収集した。
【結果】
測定期間中の曝露の最大値は102.3μT、中央値はO.05μTであった(表1)。
オフィス職場や家庭での曝露は、それぞれ最大値が13.10μTと30.OOμT、中央
値がO.08μTとO.03μTであった。
最も高い曝露を認めた環境は交流区問での電車内であり、最大値が!02.3μT、
中央値が!.03μTであった。
【考察】
いずれの環境においても産業衛生学会の許容基準(50/f[mT]:f:周波数)よりは
著しく低値であった。
このことから、日常生活における電磁場曝露は、従来指摘されているような
職業性の大きな曝露による急性の健康影響を考慮する際の妨げにはならないと
考えられた。
しかし国際がん研究機関(IARC: The International Agency for Research on
Cancer)は、超低周波磁界を発がんの可能性がある「グループ2B」に分類し、
その中でO.4μ丁以上の曝露による小児白血病のリスクが約2倍と報告してい
る。
本調査では、日常生活環境下においてこの値を超える電磁場曝露が認められた
ことから、長期間の電磁場曝露による健康影響を考慮する際には、
それぞれの曝露背景について、綿密な測定が不可欠であると考えられた。
【まとめ】
職業性電磁場曝露の健康影響を考慮する際に問題となる、日常生活を
中心とした環境での背景曝露についてオフィス作業者を対象に調査を行った。
概ね低い曝露値ではあったが、慢性影響を考慮する上では綿密な背景曝露の
調査も必要であると思われた。
表は割愛。 興味のある方は原著を読んでください。