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新型肺炎、米でワクチン生産へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030520-00000004-yom-soci
【サンノゼ(米カリフォルニア州)=館林牧子】
新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)のウイルスが作るたんぱく質を合成することに、米カリフォルニア大アーバイン校のチームが19日までに成功した。
研究チームによると、同ウイルスのたんぱく質の合成に成功したのは世界で初めて。これを使ってワクチンを合成し、今月末からサルを使ったワクチンの安全性と有効性を調べる実験を開始する予定だ。
成功したのは、同大ウイルス研究センターのフィリップ・フェルナー研究員ら。公開されたウイルスの全遺伝情報(ゲノム)配列から、ウイルスの殻の表面にある「スパイクたんぱく質」と、ウイルス内部に存在する「nたんぱく質」の2種類を合成した。これらのたんぱく質を注射すると、ウイルスに対する免疫ができ、感染を予防できる可能性があるとして、研究チームでは動物実験の開始を急いでいる。実験には数か月かかる見通し。
一方、米メリーランド州のバイオ企業「ジェンベック」社も遺伝子工学の手法を用いたワクチンの生産を、今週中に始めることを明らかにした。こちらは、風邪の原因になるアデノウイルスを加工し、増殖力を失わせた上で、SARSウイルスのDNAの断片を組み込んで作製する。
(読売新聞)[5月20日15時6分更新]