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中国を中心とする新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の発生で渡航自粛や中国
国内の移動制限が拡大されたことにより、日本にもじわじわと影響が出てきた。事態が長引
けば稲わらや一部農産物の輸入が止まる可能性もあり、商社や食品関連メーカーの周辺は慌
ただしさを増している。SARSの波紋はいったい、どこまで広がるのか――。
■防疫
農水省は十八日までに中国からの稲わらなどの輸入に必要な防疫官の新たな派遣を見合わ
せる方針を決めた。現在は、飼料用稲わら害虫の二化メイガと口蹄(てい)疫の消毒に立ち
会うため、大連に植物防疫官三人と家畜防疫官一人を派遣している。
家畜防疫官は六月十九日に帰国する予定で、新規の派遣がないと同国産の稲わらは輸入で
きない。長引けば輸入が止まる可能性もある。
同省は「派遣中の防疫官を直ちに帰国させることはないが、交代要員の派遣は考えていな
い」(生産局植物防疫課)としており今後、感染地域が拡大すれば早期帰国もあり得る。
同国産稲わらの輸入量は、害虫問題で一時輸入が停止した二〇〇二年で約五万トン。〇一
年は約二十二万トンだった。
同じように中国産レイシとハミウリも、ミカンコミバエ対策で消毒に防疫官の立ち会いが
求められる。まもなく出荷期を迎えるレイシは派遣を見合わせる方向で調整中。レイシに続
くハミウリの輸入も、微妙なところだ。
〇一年の中国産レイシの輸入量は八百トン。輸入量全体の七割を占める。ハミウリは中国
産だけで、〇一年の輸入量は九十トンだった。
■流通
「中国でホウレンソウの試験栽培ができないかも……」と話すのは、大手冷凍食品メーカ
ーの加ト吉。当初は五、六月に予定していたが、日本からの渡航自粛要請が出ている中で微
妙な見通しだ。
卸業者のいずみ(甲府市)は「取引先から、調達できなくなった場合の代替案を示すよう
求められている」と話す。同社は中国産ニンニクの芽が入らなくなった場合には国内産や他
国産に切り替えることも考えているが、それによって割高になることを懸念する。
感染の長期化も怖い。大手冷凍食品メーカーのニチレイは中国での野菜生産について、
「いまのところ影響はないが、この先、いろいろな面で作業の遅れが出る恐れがある」と心
配する。
こうした動きに対し国内の小売業界の反応は比較的冷静だ。大手スーパーのイオンは「中
国産の農産物や冷凍野菜を取り扱うが、売り上げは昨年と変わらない」。コンビニエンスス
トアのローソンも「店頭販売への影響はない」と話している。
■自粛
外務省は中国全土に対し、危険情報を出している。とくに世界保健機関(WHO)が重度
の流行地域に指定している天津市、内モンゴル自治区、北京市、山西省、広東省などについ
ては「渡航の是非の検討」を勧め、緊急性のない旅行は延期するよう呼びかけている。
中国に滞在している日本人の移動制限はないが、同省領事移住部政策課は「航空機の減便
などもあり、移動は以前に比べて難しくなっている」と話す。
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/back/news/flash/flash03051902.html