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ネイチャー・ジャパン
http://www.naturejpn.com/medicine
May , 2003
臓器移植:危険を運ぶ移植臓器
Post-transplant Kaposi sarcoma originates from the seeding of donor-derived progenitors
移植臓器中に潜んでいた腫瘍細胞により、移植患者にカポジ肉腫(KS )が発症することがある。
カポジ肉腫は、臓器移植関連の癌の中で最もよく見られる悪性腫瘍だが、Nature Medicine 5月号でモデナ&レッジョ・エミリア大学(イタリア)のM Luppi たちは、移植患者に生じたカポジ肉腫について報告している。
米国では移植を受けた患者200 人につき1 人の割合でKS を発病しており、この割合は一般集団に比べると400 〜500 倍という高さである。Luppi たちは、男性提供者からの臓器移植を受けた後、カポジ肉腫を発病した女性移植患者5 名についてKS 伝播に関する調査を行った。
様々な方法を用いて検討した結果、これらの臓器移植患者の肉腫は臓器提供者に由来することが確実となった。これまでにも、移植した臓器から有害なウイルスが伝播する可能性が指摘されてきたが、Luppi たちは、ウイルスおよびウイルス感染した腫瘍細胞がともに移植患者に受け継がれることがあると報告している。
今回の結果はまだ予備的なものだが、移植臓器を通じて危険な疾患が伝染する可能性と、移植前臓器のスクリーニングの必要性をはっきりと示している。