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新型肺炎の重症急性呼吸器症候群(SARS)が中国の沿海部から内陸部へ広がる折、春の農作業が始まった。省外への出稼ぎ者600万人の四川省は感染を防ぐため帰郷禁止令を出したが、44万人が舞い戻った。村民は帰省者の健康をチェックする一方で、人手不足の農家を手伝うなど多忙を極める。低い医療水準がデマを助長し、SARS感染への不安が募っている。
四川省の感染は衝撃的なケースで幕を開けた。4月10日、広東省から40人を乗せたバスが省内に入った直後、若い男性が座席で死んでいるのが見つかった。高熱、せき、吐き気などの症状を訴えていたため、遺体の肺レントゲンを撮るなどの検視をした結果、SARSが死因と分かった。
春の農作業で忙しい5月は例年、出稼ぎ者が100万人単位で、四川省に里帰りする。成都近郊にある金堂県の幹部は4月末、約4万人が同県から出稼ぎしている東莞市に赴き、「ばい菌を持ち帰って両親にでもうつしたら大変だ」「帰っても15日間は医療観察で農作業ができない」と帰郷しないよう説得した。
一方、省内では広東省や北京などに通じる道路や長江の港、空港に「関所」を設けて、体調を徹底チェック。労働力の足りない農家のために、村の幹部や青年が総出で手伝うことも決めた。
金堂県桐梓村では出稼ぎ152人のうち帰郷したのは25人。広東省から父の死に駆けつけた張君さん(35)は「新型肺炎の怖さを知っていたら、親類や村の人に迷惑を掛けるので帰ってこなかったはずでした」と反省の弁。毎日家を消毒し、体温検査を受けている。
村々では人の集まりが禁止された。「明朝午前0時に緑豆の重湯を飲めば感染を防げる、と今日生まれた赤ん坊が告げた」といったデマが飛び交い、「アヒルを食べると感染しやすい」とのうわさを立てられた農家が経営難に追い込まれた。
四川省の感染者は12日現在、死者2人、感染者13人、感染の疑いのある者16人。隔離観察者約1300人の中には北京人民医院で看護の仕事をした出稼ぎ者も含まれるという。
省SARS撲滅指導グループの副主任を務める劉暁峰副省長は「感染はすべて外から持ち込まれたもので医療関係者を含め第2次感染はない。水際作戦は当面成功している。人口の8割を占める農村が今後のカギ。400床の専門病棟を建設中だが、四川ではSARS関係の医療機器や薬品を生産していないため、量と質の確保が難しい」と対策の難しさを認めている。 (05/12 20:23)
http://www.asahi.com/international/update/0512/013.html