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【ジュネーブ=大内佐紀】世界保健機関(WHO)は7日夕(日本時間8日未明)、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の死亡率を平均14―15%に修正すると発表した。
WHOは当初、死亡率を4%程度と推計していたが、この日までにカナダ、中国、香港、シンガポール、ベトナムからの新たなデータを検討した結果、死亡率が大幅に高いことが明らかになったもの。
また、WHOは合わせて、年代別の死亡率も発表、65歳以上では実に死亡率が50%を越えた。45歳以上64歳以下が15%、25歳以上44歳以下が6%、24歳以下は1%で、年代が上がるのに比例して、死亡率が高くなることが歴然となった。
WHOでは、死亡率の差の要因として、SARSウィルスのほかにどのような病気を併発しているか、治療をすぐ受けられる環境にあるかどうか、などを挙げている。
国・地域別の死亡率では、カナダが15―19%、香港11―17%、中国5―13%、シンガポール13―15%、ベトナム8%だった。ベトナムで死亡率が低い理由として、WHOは、患者が年の若い病院関係者に集中したことを指摘した。
SARSウィルスに感染してから発症するまでの期間については、最大限10日間とのこれまでの分析を変更しなかったが、香港では、発症まで10日以上かかったケースが57人、報告されているという。WHOは、SARSの感染を食い止める最良の方法として、なるべく早い段階で、疑いのある患者を隔離することを勧告するとしている。
一方、7日夕の発表では、SARSによる死亡者は6日に比べ17人増え495人と500人に迫る勢いだ。感染者(感染した可能性があるものも含む)も前日と比べ186人増え、6903人となった。死者が増えたのは、香港11人、中国5人、台湾1人だった。
(2003/5/8/12:11 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030508i103.htm