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【北京=竹腰雅彦】中国の新型肺炎(SARS)対策で、農村部への感染拡大阻止が大きな課題に浮上している。
胡錦濤政権は発足以来、農民の所得向上、都市との格差解消など「農村問題」を最大課題の1つに掲げており、農村部での感染拡大は単なる衛生問題にとどまらず、政権そのものを揺さぶる不安定要因となりかねないためだ。
胡錦濤総書記は1日、SARS対策視察で訪問した天津で、感染予防に深く力を傾けるべき対象として、真っ先に「農村」を挙げ、SARS根治の「人民戦争を戦おう」と呼びかけた。
政府で農業問題を担当する回良玉副首相も3日、医療整備の遅れた農村部の感染拡大防止と同時に、農民の増収、農村の経済発展に向けた努力には、「いささかのすきも許されない」とげきを飛ばした。
当局はこれまで、北京市に数百万人いるとされる出稼ぎ労働者の故郷への帰宅や、農村部への旅行禁止、農村部住民の医療費優遇など、様々な対策を打ち出し、水際での感染拡大阻止に躍起になっている。
「非典(非典型性肺炎=SARS) 停車」
同市郊外の農村部を訪ねると、ほぼすべての地区が、部外者の立ち入りを防ぐため、集落に入る主な道路や小路を封鎖し、検問を行っていた。どの検問にも、外から戻った車に施す消毒の散布機が置いてある。
ある検問で中に入ろうとすると、「消毒してもよそ者はだめだ。そう指示されている。あっちへ行ってくれ」と追い返された。
金魚など観賞魚生産が盛んな同市朝陽区郊外の黒庄戸地区。連休中、普段なら大勢でにぎわうという大規模な観賞魚販売センターには1人の客もおらず、完全な開店休業状態だ。手持ちぶさたの店員は、「もちろん非典のせい」と話した。同市発表では、農村部の発病者は現在まで1人も報告がないが、こうした事態が長引き、仮に感染も広がれば、農村経済に深刻な打撃を与えるのは確実だ。
(2003/5/4/22:06 読売新聞 無断転載禁止)