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新型肺炎の重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染者の急増が、中国の医療現場を直撃している。感染者全体に占める医療関係者の割合は約2割に上る。医師らが不足し、人民解放軍は軍の医療部門の人員1200人の北京への派遣に急きょ踏み切った。中国当局は医師たちの対応が感染拡大防止のカギを握るとみて、士気向上のための優遇措置も打ち出し始めた。
北京の病院の防疫部門を担う女性(39)は「今こそ、我々の政府への支持を示す時です。感染は怖くはない」と胸を張った。その上で、「ただ、家族はかなり心配しているみたいだけど……」と小さな声でつぶやいた。
28日現在、中国の感染者3106人のうち、医師、看護師、検査技師らは21%の653人に上る。
当局のSARS対応の遅れで、院内感染が急速に広がったとみられている。山西省では今月中旬の段階で感染者の4割を医療関係者が占めた。
中国衛生省は27日、病院での感染防止策を強めるように緊急通知を出した。管理者の責任を厳しく追及するという。
中国当局は病院で感染者1人当たりに必要とされるスタッフは最低6人とみている。北京では3万6千人がSARS治療を担えるとし、感染者が6千人以下ならば十分に対応できるとする。
しかし、北京では感染の可能性から隔離された人はすでに計8924人に上る。日刊紙の北京青年報は「朝から深夜まで寝る暇もない」との看護師の発言を伝える。
こうした事態を受け、人民解放軍の医師らが27日から北京に続々と到着している。大学院生らの医者の卵たちが「自発的」に治療現場に駆けつけた、などとの報道も相次いでいる。
市民の間では、感染を恐れて現場で尻込みする医師も少なくないといわれる。当局は医師たちの士気を高めることを狙った措置を打ち出した。
SARS禍が深刻になって、北京市朝陽区は、同区の幼稚園から高校までの入学試験で、医療関係者の子弟に対する優遇措置を決めた。
同区は北京でも有数の進学校が集まっており、子弟の受験問題を緩和させることで、医師らを励まし、SARS治療に専念できる環境をつくる狙いだという。受験の際、一定の点数が加算されるうえ、希望校の合格点数に達しなくても、同区内のほかの進学校への入学を保証する。
中国財政省は、SARS治療に当たる医療関係者の残業代などに対する個人所得税を減免することを決定。中国では「エリート」の条件とされる共産党入党を医師たちに優先的に認める動きが進んでいるとの情報もある。
引き締め策も同時進行だ。当局はSARS対策に消極的な姿勢を示したとされる公務員や医師らには厳しい処分を行う。西安市では市民からの相談で対応が悪かったとして衛生局の役人が解雇された。 (04/29 09:35)
http://www.asahi.com/international/update/0429/005.html