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[朝日] 人食い菌、市場調査で魚介類16%から検出 6都県調査
肝臓が悪い人が感染すると手足の筋肉が急速に壊死(えし)し、
死ぬこともある「人食い菌」ビブリオ・ブルニフィカスについて、
市販の魚介類の一部を調査し、その16%が汚染されていたという
結果を、国立感染症研究所と全国6都県の地方衛生研究所がまとめ
た。夏季、菌が沿岸部の海水中で増え、水揚げ時に魚のエラなどに
つくらしい。17日に福岡市で始まった日本感染症学会で発表する
宮城、東京、神奈川、静岡、島根、熊本の衛研が、01年6月か
ら02年3月までの10カ月、入手容易なアジとアサリを中心に魚
介類を毎月約5品、スーパーで買い、アサリは身、アジはエラの部
分でビブリオ・ブルニフィカスの有無を調べた。
計372検体のうち、16%にあたる58検体から菌が見つかっ
た。種類別の汚染率は、アサリ31%、アサリ以外の貝16%、ア
ジ5%、アジ以外の魚2%だった。季節別に見ると、6〜9月は3
割前後と高く、1、3月は検出されなかった。
菌は十分に加熱すれば死ぬので、アサリのみそ汁やアジの塩焼き
で感染する恐れはない。真水に弱いので、調理前に魚を十分水道水
で流し洗いするのも効果があるという。感染研感染症情報センター
の小坂健主任研究官は「生魚を調理する時、包丁やまな板、手指な
どに菌が付く可能性がある。使った器具や手を十分洗うなど、衛生
の基本を守りましょう」と話す。
ビブリオ・ブルニフィカス感染症は、肝硬変など重い肝臓病の人
、大酒飲みの人、重い糖尿病などで抵抗力が弱っている人がかかり
やすい。発症すると死亡率は5〜7割といわれている。感染研の推
計では年200人以上の被害者が出ている。
沖の海水中には菌がごく少ないので、これまで沖で取るアジなど
は、汚染がないと思われていた。研究チームは、漁港での水揚げ時
、港で取った海水で魚を洗うなどして菌が付いたとみる。滅菌水で
洗浄した場合の効果などを現在実験中だ。