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(回答先: 03/27 20:25 コロナウイルスが病原体 SARS、香港大が特定 共同 投稿者 倉田佳典 日時 2003 年 3 月 30 日 19:10:49)
「なぞの肺炎」と呼ばれる重症急性呼吸器症候群(SARS)が香港、台湾、シンガポール、カナダなど各国に拡散しつつある。世界保健機関(WHO)は世界中の医療機関や学者に協力を呼びかけ、阻止に懸命だ。一方でSARSの情報を公開せず、非協力的だとして中国当局への風当たりが強まっている。
○ 中国批判
香港政府は31日、感染者が多発したマンションの住民を出入り禁止にする措置を決めた。九竜のマンション開発地区アモイガーデンでは、高層マンションの1棟を中心に241人の感染・疑感染者が見つかった。政府は住民264戸に、4月9日まで無断外出と外来者訪問を禁じた。食料は政府が供給し、この間に住民全員の診断をする。
同政府はこれまでに感染者と接触した人の監視や学校閉鎖など、前例のない厳しい措置を次々に打ち出している。3月29日から9日間、小中学校は休校、大学も自主休講に。香港政府は香港での31日までの感染者は610人、死者は15人となったと発表した。
批判の矛先は、流行の兆しが昨年から見えていた中国に向いている。
香港紙明報は3月27日、社説でSARS問題の中国の対応を批判した。「広東省が数字をもっと早く出せば、香港は早く手を打てた」と。
香港中文大学の呉国光助教授(中国政治)は「世論を刺激する問題を隠すのは中国の政治での常套(じょうとう)手段」と指摘する。
一方、香港を訪れた中国の竜永図・前対外貿易経済協力省次官は29日、記者団に「六百数十万人の香港で二百何人感染しても比率はわずかだ。メディアは騒ぎすぎ。香港経済に損害だ」と言った。
○ 情報隠し?
広東省で「奪命肺炎」の情報が流れたのは昨年11月ごろ。年末には香港紙も「原因不明の肺炎の流行」を報じ始めた。せき、高熱など病状は当初からSARSと一致していた。
今年1月末から感染者は急増したが、省衛生当局は何の発表もしなかった。2月、「漢方薬の板藍根(パン・ランケン)がきく」「酢を熱して部屋を薫蒸すれば殺菌できる」といったうわさで広州(コワン・チョウ)、深セン(シェン・チェン)など各地で買い占めパニックが起き、2月11日、省当局はやっと感染状況を発表した。
「感染者305人、死者5人。流行は峠を越した」。以後、省当局は6週間、新しい数字を出すことをしなかった。
2月下旬以後、SARSは香港からハノイ、シンガポール、トロント、フランクフルトへと広がった。中国の張文康衛生相は3月22日、記者団の質問に中国でのSARSの存在を認めたものの、感染者数は「調査中」。広東省当局が新たな感染者数を発表したのはさらに4日後の26日だった。
「2月末までの感染者792人、死者31人。感染者の75%は快復した」
WHOは広東省の肺炎の原因を中国側の依頼で分析し、26日、「香港と同種のウイルスの可能性が高く、SARSとみられる」と発表した。
広東省は外資の投資で毎年10%を超す経済成長を達成、省都広州には大空港も建設、香港の地位を脅かす勢いだ。その一方、今回は体制の動揺や投資の減少をおそれ、「不祥事隠し」に走ったと言える。
呉助教授は「不特定多数の市民を犠牲にしたことに、中国は重大な責任がある」と怒る。
香港とは対照的に、人民日報など中国メディアはSARSに対し、黙殺を続けている。 (03/31 21:30)