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元国立がんセンター、金沢大学教授 池川哲郎先生講演より(概略)
現在わが国では癌の死亡率が3人に1人になっている。
様々な疫学調査 により、癌をはじめ、脳卒中、心臓病などの循環器疾患、糖尿病などが、生活習慣としての食生活と関係があることが次第に明らかになっており、食生活の重要性が論じられるようになってきている。
池川哲郎氏は国立がんセンターできのこの抗癌作用について長年研究を行ってた。
池川哲郎氏らは先ずサルノコシカケ科のきのこを取り上たが、必ずしも十分な効果を得られなかった。そこで食用きのこを取り上げたところ、強い活性が認められ、それらのきのこからシイタケのレンチナンなど幾つかの抗癌多糖体や糖蛋白を分離した。
そこでわかったことは単純多糖体は経口では効果が出なかったが、エノキタケの子実体から分離したEA6(低分子蛋白結合多糖体)は、経口投与で有効であるということだ。その契機は凍結外科との併用療法の動物実験モデルをつくることであった。
同じ頃氏はきのこの菌糸体を広範にスクリーニングして、経口投与で同系腫瘍に有効な物質を探索する研究を行っていた。そのような研究を積み重ねて、エノキタケ培養菌糸体から経口で同系腫瘍に有効なプロフラミンを分離した。
しかしきのこであれば、効くというものではなく、効くと喧伝されていても、効かないものもあったわけです。例えばアガリクス茸 (Agaricus blazei)などは国立がんセンターで行った実験では、効かなかった。またアガリクスのD−グルカンの含有量を測定してみても、前述のキノコの十分の一も含まれていなかった。このような実験結果は 金沢大学で行っても全く同じであった。
また最近の実験結果では、アガリクス茸を投与したマウスは、対照群のマウスと比べて、過酸化脂質が有意に増加していることがわかってきた。
更に聞くところによると、アガリクス茸はカドミウムの含有量が多いものもあるようなので、このような事実から、安易に摂取を勧めるべきものではないだろう。
ブナシメジ(別名:やまびこほんしめじ)については、もう一つ別の観点に立って、食生活と発癌予防という発想で食用きのこをとらえて、発癌予防の実験を行った。
先ずマウスを一群36匹にして、処置群は通常の飼料にきのこそのものの乾燥粉末を混合してマウスを飼育し、対照群は通常の飼料で飼育した。一週間後、全てのマウスに強力な発癌剤メチルコランスレンを注射して、対照群とブナシメジ粉末含有餌料で飼育したマウス群の発癌を観察した。約一年半の観察で対照群のマウスは36匹中21匹が発癌しましたが、きのこ投与群のマウスは36匹中わずかに3匹しか発癌しなかった。このようにキノコの摂取が明らかに発癌を予防することを証明したのである。
さらにこの発癌予防作用は、単に免疫賦活活性によるばかりでなく、キノコの抗酸化作用によることを明らかにした。即ちキノコを摂取したマウスの血漿について、対照群のそれと比較すると、ラジカル捕捉活性が亢進 しており、また血中の過酸化脂質もきのこの摂取によって減少することがわかったである。このような研究結果から、キノコは癌のみならず、脳疾患や心臓病などのいわゆる生活習慣病の予防に効果が期待されると結論することができると思われる。
以上、平成10年11月金沢市で開催された第1回日本代替医療学会にて行った特別講演より抜粋。