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(回答先: 4月の鉱工業生産指数、2か月ぶり低下 [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 29 日 15:44:45)
4月の鉱工業生産指数は、前月比▲1.2%と市場コンセンサス通り減少した。BNPパリバ証券会社・経済調査部エコノミストの村上尚己さん(Naoki Murakami/ Economist, BNP Paribas Securities(Japan) Ltd.)は、「我々は、生産指数が03年1月にピークアウトし、循環的に景気後退局面に入っている と指摘していたが、こうした状況を確認する結果となった」と語る。
<今回の予測指数改善、かなり割引いてみる必要> 5,6月の企業見通し(予測指数)をみると、5月は前月比+2.6%、6月は同+ 1.1%と、いずれも改善見通しとなっている。予測指数通りであれば、4-6月の生産指数は前期比+0.5%とプラスとなる。しかし、果たして、これは今後生産が改善に向かうことを示しているのだろうかと疑問を呈す。通常、生産の先行きを判断する際、鉱工業生産の実績(今回は4月の生産指数)に、企業見通しの伸び(5月、6月の予測指数 の伸び)を乗じて計算する。だが、予測指数は、全体の鉱工業生産指数の構成品目521 品目のうち主要な181品目についての企業見通しのみで作成される。つまり、「両者はサンプルの範囲が異なる」。全体の鉱工業生産指数(521品ベース)と予測指数サンプルの生産指数(181品目ベース)は、「足元で大きな乖離がみられている」。4月の生産指数(512品目ベース)は前月比▲1.2%だったが、4月の予測指 数サンプルの生産指数(181品目ベース)は前月比▲2.0%と大きな落込みとなって いる。5月の企業見通し(予測指数)は+2.6%大幅な改善となっているが、大き く落込んだ4月(前月比▲2.0%)からの反動増の面がかなり大きい。5月の予測指 数の改善のうち、4月からの反動増を考慮して、521品目ベースに直せば前月比+ 1.5%程度になる。そうすると、4−6月の生産指数は前期比▲0.2%と減少見通しになる。今回の予測指数の改善は、かなり割り引いてみる必要がある。
<夏場にかけは、生産・資本財の輸出・生産の低迷続く> 1月をピークに生産調整が始まったのは、02年末まで生産回復を牽引してきた輸出 が、米経済の回復の遅れを背景に年明け以降減少に転じたことが背景にある。02 年中は特に「輸送機械」「電子デバイス・半導体」の輸出が拡大し、同セクター が生産全体の回復のほとんどをもたらしてきた。だが、「これらの生産指数も1月に ピークアウトした」とみている。この結果、全体の生産拡大も止まったが、「それ以外のセクターの生産指数も減少し始めた」。特に、4月は、資本財生産が大きく減少した。これは、国内の設備投資の低迷が続いてい ることに加え、アメリカ・アジア向けの資本財の輸出が年明け以降悪化傾向にあることも大きい。現段階では、米国の企業部門に回復の兆しはほとんどみられないため、「少なくとも夏場にかけて、生産財・資本財の輸出・生産の低迷は続く」とみられる。
<ただ、国内の生産調整は軽微に止まる> もっとも、在庫の広範囲な積みあがりがみられないため、「国内の生産調整は軽微にとどまる」と見る。同社は、7−9月からの米経済の回復を想定しているが、これが実現すれば10−12月から輸出主導で日本の生産も、ゆるやかながら再び回復が始まると予想する。