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簡単だが
現金資産に対する相続税を高くすればいい。
そして株式に対する税を低くすればいいだろ。
3年間で予算総額100兆円の補正予算編成を=堺屋氏ら9人が緊急提言
[東京 29日 ロイター] 堺屋太一氏(作家、元経済企画庁長官)や稲盛和夫氏(京セラ<6971.T>名誉会長)ら9人が、日本経済は危機的状況にあるとし、政策転換を求める緊急提言を行った。個人金融資産1400兆円を投資に向かわせる税制措置や、3年間で予算総額100兆円の補正予算編成を求めている。
提言は12項目。「負の遺産の清算」として、公共事業の整理民営化や不振企業の3年以内の整理、中小企業の再生措置を挙げた。国および地方自治体とその公団や第3セクター等は、3年以内に整理廃止して民営化するほか、金融機関が持つ中小企業の不動産担保債権を政府出資機関が額面の2分の1で買い上げ、3年以内に買い上げ価格の2分の1以上で買い戻すよう中小企業に要請する、などの具体策を示している。
また、個人金融資産1400兆円を投資に向ける方策としては、1)不動産と株式の相続税課税評価を2分の1にする、2)ベンチャー企業に投融資するために社債を購入した場合、3分の1を課税所得から控除する、3)公益法人や学校法人への寄付は、所得の25%まで課税所得から控除する──ことなどを提案している。
財政政策については、「財政構造改革をせず、国債発行総額だけを減らそうとすれば、不況と税収減を招く」とし、小泉内閣の国債発行30兆円枠を批判。そのうえで、予算の単年度主義の見直しや総理大臣査定枠(当初予算で3%、補正予算で30%)の設定、国税収入の30%(約12兆円)を地方に移譲することなどを求めた。
さらに、緊急の景気対策と長期の構造改革のために、国と地方を合わせて予算総額100兆円の補正予算を編成するよう提言。このうち70兆円は負の遺産清算のための交付国債、残り30兆円は、環境調査や街区の公園設置など、景気と雇用に即効性の高い分野に配分する、としている。
10年後には、年平均実質成長率2.0%、名目成長率5.0%をメドとし、長期国債金利が名目成長率を下回るようにすることを目指すという。これによって、国公債残高の対GDP比は120%、国債利払いを2.4%程度に抑えることができる、としている。
このほか、行政機構の機能別分離や首都機能移転、高齢化社会への対応などを盛り込んでいる。
小泉首相が任期中の引き上げを否定している消費税の扱いについては、「まずは減税を先行するべき時期。消費税は残された少ない財源であり、今引き上げると、後で何ら手段がなくなる」(稲盛氏)と述べ、まずは、3年程度かけて緊急提言の実現を図ることが有効だとしている。
「提言には、政策転換して欲しいとの意味がある」(堺屋氏)としており、今後、小泉首相をはじめとし、与野党に説明を行う予定。さらには、今後、第2弾、第3弾と継続的に提言を行っていきたい、としている。
救国会議9人委員会のメンバーは、稲盛和夫氏、植草一秀氏(早稲田大学教授)、江口克彦氏(PHP総合研究所副社長)、加藤寛氏(千葉商科大学学長)、堺屋太一氏、寺田千代乃氏(アートコーポレーション社長)、常盤文克氏(前花王<4452.T>会長)、鳥羽博道氏(ドトールコーヒー<9952.T>社長)、中西輝政氏(京都大学教授)。
(05/29)