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大手銀行7グループの平成15年3月期決算の「正味自己資本比率」が、平均でわずか0.5%しかないことが28日までに、民主党の試算で分かった。株価下落で損失が拡大したことなどが影響し、銀行の健全性はどん底まで落ち込んでいる。経営状態悪化の原因が小泉純一郎首相の景気刺激に消極的な態度にあることは明白。このため、民主党は同日午後の衆院予算委の金融集中審議などで小泉政権の経済失政を厳しく追及する。
民主党では7銀行グループの平成15年3月期決算の発表を受け、自己資本から、不良債権処理に伴って払いすぎた税金の返還を見込んで算定している繰り延べ税金資産と、公的資金を引いた額をもとに、正味自己資本比率を試算した。
その結果、別表のように、大手7グループの平均は0.5%で、一年前の2.01%から大幅に低下した。
グループ別だと、自己資本の半分程度が繰り延べ税金資産である三井トラスト・ホールディングスをはじめ、5グループの正味自己資本比率がマイナスに転落した。
4大メガバンクのなかで、公的資金を受けていない「独り勝ち」の三菱東京フィナンシャル・グループでさえ7.05%となり、国際業務に必要とされる8%を下回る。
各グループとも、「資本のカサ上げ」と批判がある繰り延べ税金資産と公的資金による厚化粧を剥(は)がしてしまえば、破綻(はたん)同然の実態が現れるというわけだ。
こうした試算に対しては、「繰り延べ税金資産も公的資金も、会計ルールで認められた正式な自己資本。数値そのものに意味がなく、銀行が健全であることに変わりはない」(大手銀幹部)との指摘もある。
ただ、銀行経営をここまで追いこんだ小泉政権の失政の重さを表す数値としての意味は大きい。
銀行の自己資本が減少した主な原因は、株価下落に伴う損失処理や株式売却損などで合計約3兆3000億円もの損失が出たこと。景気悪化により新たな不良債権が発生したうえ、政府の指導で引き当てを強化したことで、不良債権処理額が合計約5兆2000億円にも達したという要因もある。
りそなホールディングスの公的資金投入申請にも、経営陣の失態だけでなく、こうした事情が背景にあった。銀行側には「株価や景気の回復がなければ銀行経営の黒字化も難しい」(大手銀幹部)との本音もある。
今後本格化する予算編成を巡る議論を控え、小泉首相は民主党の追求にどう応えるのか。
結果を示せないまま「改革は進んでいる」と繰り返すだけでは、政権維持の最大の支えである国民の支持が離れることも避けられない。