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BNPパリバ証券会社・経済調査部チーフ・エコノミストの河野龍太郎さん(Ryutaro Kono/Chief Economist, BNP Paribas Securities(Japan) Ltd.)は、30日発表の4月全国CPIは、「総合・コア共に前年比の下落幅が縮小する見通しである」と語る。実際、全国CPIに1ヶ月先行して発表された4月の東京都区部CPIは、3月に比べ て、コアで0.3ポイント下落幅が縮小し前年比マイナス0.4%に、総合では0.2ポイント下落幅が縮小し同マイナス0.1%となった。全国も東京都区部と同程度下落幅が縮小すると見込まれるため、4月の全国CPI総合は小幅ながらプラスに転じる可能性がある(3月は同マイナス0.1%)。なお、CPI総合の下落幅がここ1年間縮小傾向にあるのは、変動の大きい生鮮食品の価格が昨年4月から上昇傾向にあるためだが、「コアのマイナス幅まで縮小する背景には、以下に述べる特殊要因がある」と言う。
<03年度CPI、特殊要因で0.4ポイント程度押し上げ> 第1に、2003年4月1日からサラリーマンの健康保険の自己負担が2割から3割に引き上げられた。この影響で、CPIコア前年比は0.1〜0.2ポイント程度上昇する。第2 に、昨年4月の電力料金引き下げの影響が剥落するため、これも前年比ベースではCPIコアのマイナス幅を0.2ポイント程度押し上げる要因となる(ベース効果)。これらの特殊要因によって、「2003年度のCPIは0.4ポイント程度押し上げられる計算」となる。
<足元経済はむしろ、CPIマイナス幅拡大の方向> もちろん、これは特殊要因に過ぎず、「デフレの終焉を意味するわけではない」と言う。むしろ、2003年に入ってから輸出が減速する一方で、内需低迷が続いているため、成長率は鈍化し、需給ギャップは拡大している(1-3月の実質GDP成長率は前期比ゼロ%だった)。足元の経済はむしろ、CPIのマイナス幅を拡大させる方向に働いている。4-6月、7-9月はマイナス成長に陥る可能性もあり、需給ギャップは拡大する一方である。「デフレが終息する状況とは程遠い」
<需給ギャップ拡大+円高気味=デフレ圧力高める> なお、2003年3月までCPIコアの下落幅がマイナス0.7%〜マイナス1.0%の間で安定して推移していたのは、なぜか。2002年の成長率が4四半期連続でプラス成長となり、02年10-12月は前年比+2.6%と潜在成長率程度(2.0%〜3.0%)の成長を達成するなど、需給ギャップが拡大も縮小もしなかったことが背景にある。また、日本の場合、為替レートの大きな変動によってインフレ予想に大きな変化がもたらされることが多い。2002年下期の為替レートは1ドル=120円前後の横ばい圏で推移したため、為替レートがインフレ率に大きな影響を与えることもなかった。足元では、「需給ギャップが拡大している上、為替レートも円高気味であり、共にデフレ圧力を高める方向に働いている」と言う。