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5月27日(ブルームバーグ):大手銀行グループが26日発表した2003年3月期決算では、資産査定の厳格化などに伴う5.2兆円の不良債権処理や、保有株式の下落による3.2兆円の損失を主因に、7グループ合計の連結最終赤字は約 4.6兆億円となった。全グループが2期連続以上の赤字で、2002年3月期の約4兆円から拡大した。景気低迷で不良債権の新規発生が今後も続けば、赤字体質から脱却できず、2004年3月期以降、自己資本不足に陥る「過小資本」銀行が出る可能性もある。
7グループ合計の今期の不良債権処理見込み額は約1兆9000億円。前期実績の5兆1900億円から3分の1近くに減少する見通し。資産査定の厳格化の結果もあり、「前期がピークで、今期以降は大きく増えることはない」(みずほフィナンシャルグループの前田晃伸社長)というのが理由。
しかし、コマツ・ポートフォリオ・アドバイザーズの小松徹代表取締役は「例えば、担保価値の下落などを通じて、1年後は不良債権額が増加している可能性もある」と指摘。「不良債権問題そのもののトレンドは変わっておらず、銀行は安心してはいられない」とみる。
りそなショックで積み増し放棄
一方、金融庁は昨秋、大手銀行の早期健全化を目指す金融再生プログラムを作成。これを受けた監査法人による繰り延べ税金資産の厳格化の指摘で、りそなグループは過小資本に陥り、公的資金注入を決めた。前期決算で各グループは同試算額の自己資本への算入の根拠となる予想収益を保守的に見積もり、一定額の積み増しを放棄する動きが目立った。
「(税金の前払いの)回収見込みを保守的にみた」(三菱東京フィナンシャル・グループの三木繁光社長)ことなどから、三菱東京FGが2000億円、みずほFGが9600億円、UFJホールディングスが5600億円、三井住友フィナンシャルグループが4500億円をそれぞれ放棄。三井トラスト・ホールディングスは1 年前に比べ、繰り延べ税金資産の残高を441億円減額した。
それでも、三菱東京FG、住友信託銀、三井住友FGの連結自己資本比率は 10%台を維持、りそなを除く全グループがBIS(国際決済銀行)基準の8%を上回った(三井トラストは国内基準の4%)。ただ、繰り延べ税金資産が自己資本の基本的項目(TierI)に占める比率は、三井トラストとりそなが9割を超えているほか、みずほ、UFJ、三井住友も6割前後となっている。
半減目標の達成は可能とも
2003年3月末の7グループ合計の不良債権残高は2002年3月末の27兆 1900億円から約23%減の20兆8300億円となった。処理損失と同様に不良債権残高も減少傾向にあり、各グループは「今期は最終処理を中心に進め、約4.1兆円の残高を来年度には1.6兆円に減らす」(UFJの杉原武社長)などと、政府方針に沿って、2005年3月末までに不良債権比率を半減させる目標達成は可能としている。
だた、前期は金利低下局面で好調だった債券売買益が、相場がほぼ限界点に達していることなどから減少する見通しのほか、貸出金利の引き上げには時間がかかっており、業務純益の大きな拡大は期待できそうにない。そのなかで、景気回復の遅れで、収益計画が狂い、繰り延べ税金資産の取り崩しを迫られたり、新たな不良債権が発生すれば、期間利益のなかで処理できない体質が定着し、自己資本不足に陥る銀行もありそうだ。
●大手銀行グループの不良債権残高の推移
2003年3月末残高 2002年3月末残高 増減比
住友信託 4,022 6,890 -41.6
三井T 7,023 9,569 -26.6
りそな 29,063 33,561 -13.4
UFJ 41,635 64,822 -35.8
三菱東京 26,153 42,695 -38.7
三井住友 52,613 59,203 -11.1
みずほ 47,860 55,178 -13.3
(グループ傘下銀行合計、金融再生法開示ベース、単位=億円、%)
東京 平野 和 Kazu Hirano
浅井 秀樹 Hideki Asai
広瀬 泰三 Taizo Hirose
岩崎 まり子 Mariko Iwasaki
日向 貴彦 Takahiko Hyuga
小田 真理子 Mariko Oda
伊藤 小巻 Komaki Ito
http://www.bloomberg.co.jp/news/mof.html?s=APtIsLSSIj8GCpoLI