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(回答先: 【本当か?】対中赤字、実像は半分?(神戸新聞) 投稿者 最悪! 日時 2003 年 5 月 23 日 07:38:20)
これは貿易統計のカラクリと、香港という特殊な地理要因で起こるものであり、数字のみをそのままとらえるならば、中国起因のデフレ懸念は杞憂に思える。しかし実際には財の国内価格において、中国製品に引っ張られるように国内製品の価格の下落が起こっている。これはどういうことなのか?
これは輸入される中国製品の性質による。現在輸入されているのは主に農作物や衣料や軽工業品で、人的コストが価格に大きく影響する人的集約産業の財である。豊富な労働力を背景に、人的コストを生かして国内製品より安値で輸入するので、価格競争力で国内製品は敵わず、国内製品は市場から駆逐される。その結果、その財を生産する企業は市場から退出し、従事する労働者は失業を余儀なくされる。
前述の事柄を考慮すると、「中国デフレ」の真実が見えてくる。対中国では貿易赤字を抱えているものの、貿易全体では日本は黒字である。したがって、仮に対中貿易赤字がデフレ圧力であるとするなら、貿易全体では黒字であるので全体としては逆にインフレ圧力とならなければならないので、「中国デフレ」の理由としては正しくない。本当の理由は国内製品が駆逐されることによる、国内企業に従事する労働者の失業とそれによる消費の停滞にある。
しかし貿易全体では黒字で経済全体では富に余剰があるにもかかわらず、失業者の受け皿が見つからず、財の生産と消費が減少し、デフレ経済となっているのはどういうことなのか?という別の問題が生じてくる。そのことについてはここでたびたびあっしら師が説明されているので省略する。簡単に言えば分配の問題である。