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東京 5月23日(ブルームバーグ):日本銀行は23日、4月7、8日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。それによると、資産担保証券の買い入れを検討することについて須田美矢子審議委員が反対票を投じていたことが分かった。また、当座預金残高目標の現状維持とすることについても、福間年勝審議委員が反対票を投じた。
日銀はこの金融政策決定会合で、中小企業関連資産を裏付けとする資産担保証券の買い入れを検討することについて、須田委員を除く8人の賛成多数で可決した。須田委員は「本行の自己資本の性格・制約や企業の資金調達環境の現状評価を踏まえると、資産担保証券のシニア部分の買い取りはともかく、現時点でよりリスクが高いメザニン部分まで買い取る用意があると表明することは適当でない」などとして反対した。
ほかにも「資産担保証券市場の規模などを考えると、それが金融緩和を強化する効果には限界がある」(何人かの委員)、「中堅・中小企業への貸出が増加し、マネーサプライが増加することまで期待することは難しい」(1人の委員)、「金融緩和の波及効果を強化する効果も限界的であるため、あくまでも市場の発展を促すという政策意図を前面に押し出して説明していくべき」(別の委員)など、効果や政策目的に懐疑的な声が多く出された。
異例なやり方
また、何人かの委員は「日銀が信用リスクのある資産を買い切ることは、これまでの政策からみて大きな飛躍」として、なぜ中堅・中小企業関連の資産担保証券が最初の対象となるのか、十分な検討が必要という認識を示した。しかし、「プロポーザルを出して市場の意見を聞きつつ、買い入れの検討を進めるべき」という強硬論に押し切られる格好で採決、可決されるに至った。
ただ、プロポーザル形式で検討を進めることについても、「民間の知恵を利用できる半面、さまざまな要望が出て収拾がつかなくなるリスクがあるという意味でもろ刃の剣」(1人の委員)、「金融調節方法を検討するにあたって、プロポーザル形式というのは異例なやり方」(別の委員)といった異論も出ていた。
目標レンジを元に戻せばよい
当預残高目標は、福間委員を除く8人の賛成多数で「17−22兆円」の維持が可決された。福間委員は「3月初めから目標レンジ上限を一貫して超えており、今後も銀行株の下落といった不確実性の高い状況が続くことを考え合わせると、目標自体を一時的にせよ引き上げ、量的緩和のスタンスを明確にする方が自然であり信認も高まる」「なお書きを使い過ぎることは適当でない」と指摘。
そのうえで「25−30兆円程度」への引き上げを提案したが、8人の反対多数で否決された。福間委員と見られる委員はまた「不確実な要素がなくなった際には、目標レンジを元に戻せばよい」との考え方を示したが、複数の委員は「そうした決定は政策意図が誤解される可能性があるため現実的には選択肢となりにくい」と反論した。
達成期限を明示
このほか、岩田一政副総裁とみられる委員が「マネタリーベースの前年比伸び率を維持するという考え方に基づいて、当座預金残高を増加させていくことも検討すべき」と主張。さらに「物価目標と達成期限を明示することで、一段と強いコミットメントを示し、説明責任の明確化と透明性の向上を図ることが出来るうえ、物価目標の上限を設定すれば、今後極端なインフレになることを回避し、期待物価上昇率のアンカーを提供する意味でも有効」と指摘した。
別の委員も「物価目標実施に向けての波及メカニズムが明確でない場合も、理論的に説明し得るものであれば、たとえ構造的な制約要因があるにせよ、目標の設定を行う意義はある」と述べた。
東京 日高 正裕 Masahiro Hidaka
http://www.bloomberg.co.jp/news/mof.html?s=APs23WSHFk.qL4otj