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【北京=竹腰雅彦】中国南部の広い範囲で今月初めから豪雨が続き、洪水が多発している。一方で、北部の黄河流域などは過去50年で最悪という深刻な渇水に陥っている。
温家宝首相は21日までに、関係機関に対し「新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)と戦う特殊な状況下にあっても、増水、干ばつ対策を徹底せよ」と緊急指示。中国は、SARSと天災に同時対処する2正面作戦を余儀なくされている。
中国各紙の報道によると、湖南省湘江流域は、10年に1度の豪雨に見舞われ、同日までに、洪水や土砂崩れなどで61人が死亡・行方不明となり、60万人以上が被災し た。住民や兵士ら40万人が動員され、人海戦術で堤防強化などに当たっている。
広東省でも洪水で23人の死者・行方不明者が出たほか、安徽、江西、福建の各省も洪水被害に見舞われている。当面、雨は降り続く見込みで、被害拡大防止が急務となっている。
また、世界保健機関(WHO)は20日、「洪水に伴う汚水を通して、SARS感染が広がる可能性がある」と警告。洪水はSARS対策の新たな課題としても浮上してきた。
北部の渇水も深刻だ。新華社電などによると、黄河の流水量が、上流の甘粛省で過去50年間の最低値を記録し、流域の各省は、深刻な水不足に直面している。下流の山東省では625万人が生活用水不足に陥り、50以上の企業が工業用水の不足で操業停止に追い込まれた。
気候変動や経済発展に伴う過度の水利用の影響で、もともと水位の低下が深刻化していた黒竜江省の松花江では、一部で川底をさらす事態となった。「過去最低」の水量という。
省都ハルビンでは、132の河川のうち、101の川の一部が干上がり、40万人の生活用水と、30万頭以上の家畜の飲み水が不足。1000万ムー(約67万ヘクタール)の田畑が干上がっている。
中国が最も重視する持続的経済発展にとって、洪水、水不足は深刻な脅威になってきた。SARSと合わせ、発足間もない胡錦濤政権は困難な問題に立て続けに直面している。
(2003/5/22/00:23 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030521id32.htm