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(回答先: [池田信夫氏の反書評]日銀バッシングの貧困:リチャード・ヴェルナー『円の支配者』草思社 投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 20 日 23:57:16)
私のこの本読みました。
池田氏の意見は一つの価値観としては別に何も言うことはありません。 嫌いなら読まなければいいのです。
池田氏の論述内容には疑問を感じます。
まず日銀の挙動に関する証拠について。
ヴェルナー氏は1990年代初頭に、バブル期における窓口指導の証拠を収集したと述べています。
これが事実であれば、日銀の挙動を示す明白な証拠です。
ヴェルナー氏は具体的に資料を提示していないので、私には最終判断はできません。
しかし、バブル期、特に1986年後半からの銀行貸し出しの突然のノルマ増大は歴史的事実です。
これが日銀の指示であることは、資金配給制度という日本金融の常識から見て、むしろ当然といえます。
一応の挙証といえると考えますね。
池田氏はこの点について反論していません。
次に、陰謀論について。
通産省に明白な戦略がなかったというのは事実に反すると思います。
明白な司令塔はなかったかもしれません。
しかし、輸出産業振興に全力を挙げるべきという暗黙の合意は形成されていたと見るべきです。
これが米国側から見て陰謀と見えるのはむしろ当然のことですね。
最後に信用理論について。
ヴェルナー氏は、銀行貸し出しが信用拡大の鍵であり、他の金融は大部分ゼロサムゲーム(所得移転)だと述べています。
当然だと思います。
池田氏は、彼を遅れたケインズ派だと言って攻撃しているみたいですが、ヴェルナー氏は別にケインズ派には見えませんでしたね。なんか味噌も糞(失礼)もいっしょくたにしているみたい。