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欧州中央銀行(ECB)は、欧州単一通貨ユーロの紙幣偽造防止のため、日立製作所が開発した偽造不可能な世界最小のICチップ「ミューチップ」を採用する方向で同社と交渉に入った。決まれば偽造防止で中央銀行がICチップを使う初のケースとなる。関係筋が19日、明らかにした。
米ドルに次ぐ主要通貨で、欧州連合(EU)域内で約3億人が使うユーロに採用が決まれば米国、日本をはじめ他の国・地域の通貨当局も採用検討に動くのは必至。偽造防止のほか、盗難予防や物流管理にも応用できる同チップが世界標準を獲得し、地盤沈下が著しい国内ハイテク産業復活の起爆剤となる可能性もでてきた。
ECBとの交渉について、日立幹部は「(いい方向に向け)話が進んでいる」と説明している。
日立は1998年、紙幣の偽造防止を主目的にミューチップの開発に着手、現在は0.4ミリ角のチップを商品化している。超小型で、紙に刷り込むことができ、既に2005年に開催される日本国際博覧会(愛知万博)の入場券にも、入場者数を管理するため埋め込むことが決まっている。
チップには、記憶容量128ビットの専用メモリーを搭載。38けたの数字が書き込め、改ざんできない仕組みとなっているため偽造防止の「切り札」とされる。固有の識別番号(ID)をデータとして書き込み、それを読み取り機を通じて専用のサーバーで識別する仕組みだ。
チップは1個20−30円だが、偽造防止策として活用するには読み取り機やサーバーと一体のシステムとして購入しなければならない。ECBのほか、ユーロ圏内の流通業者や金融機関が一斉に購入に向かえば、日立はチップの信頼性や実利の面で、有形無形の利益を得ることになりそうだ。
【ユーロ紙幣】 2002年から流通が始まり、現在、欧州連合(EU)加盟15カ国のうち12カ国が採用。流通量は140億枚を超え、5ユーロ札から500ユーロ札まで計7種類ある。日光の下で紙幣の表面上に文字が浮かび上がったり、傾けて見上げると金属状の薄膜にユーロの記号が表れる高度な技術を使い、流通当初は「偽造は困難」とされた。しかし、複写技術の向上でEUの中核国ドイツなどで偽札が急増し、ドイツ連邦銀行や地元警察が警戒を強化。欧州中央銀行(ECB)は偽造防止に向け、日立製作所のチップ採用の検討に入ったとみられる。