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ドービル(フランス)5月19日(ブルームバーグ):エコノミストの間では、欧州経済がユーロ高の影響でリセッション(景気後退)に接近していることから、欧州中央銀行(ECB)は利下げ方向に一段と傾斜しつつあるとの見方が広がっている。
ECB理事会メンバー、ウェルテケ独連銀総裁は15日、インフレは向こう数カ月で鈍化する可能性が高いと予想し、ドイツの第1四半期(1−3月)国内総生産(GDP)がマイナス成長になったのを受け、6月の利下げを支持する姿勢を示唆した。ソランスECB理事も、経済成長は年末まで上向かない可能性があると指摘した。
8兆ドル(約920兆円)規模の欧州経済は、第1四半期の行き詰まりをみせた。ユーロの対ドル相場は先週、過去4年余りで最高値圏に上昇し、輸出業者に脅威を与えるとともに、ECBの2003年下期景気回復見通しは楽観的すぎることを示唆した。デカバンクのエコノミスト、ジュニアス氏は、「ECBは徐々に利下げの用意を整えている」とし、6月までにECBがことしの成長率予想を下方修正すると見込んでいる。
17日に開かれたエビアン・サミット(主要国首脳会議)財務相会合は、共同声明で為替に関して言及しなかった。ただトレーダーの間では、ドル下落に満足感を示唆したスノー米財務長官の発言がユーロ高を招きかねないとみられている。議長を務めたメール仏財務相は、中央銀行には「景気をてこ入れするための」条件が整っているとの認識を表明。ソルベス欧州委員(経済金融問題担当)も「ECBは経済情勢を意識している」と語った。
ドイツとフランス、イタリアの政府当局者も先週、相次ぎECBに利下げを呼び掛けた。アイヒェル独財務相は15日、独成長率がマイナス0.2%となったことを受けてECBが「経済成長を刺激する余地が出てきたことは確かだ」と指摘。イタリアの財務省高官も利下げは「有益」との見解を表明している。
ドイセンベルクECB総裁は5月8日の政策金利据え置き決定について、利下げする前により多くの景気指標を見極めたいためと説明したが、その後発表された経済統計では、ドイツとイタリア、オランダが第1四半期にマイナス成長に陥ったことが示されており、「ユーロ圏の景気の弱さと弱体化傾向は明白であり、ECBの利下げは絶対必要」(SEBインベストメント・ファンズの運用担当者ホクスタイン氏)との声も聞かれる。ECBは6月5日に定例政策委員会を開き、金利政策を協議する予定。
フランクフルト John Fraher 東京 守護 清恵 Kiyoe Shugo
Last Updated: May 19, 2003 02:32 EDT
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=a8yUYVi7XIS4&refer=top_kaigai