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公的資金再注入の申請を決め、事実上、国有化されたりそなホールディングス(HD)。週明け19日は通常通り営業を再開したが、東京株式市場のりそな株は売り一色。一時、額面50円割れとなり、りそなの取引先企業はこの日を戦々恐々として迎えた。2兆円規模という膨大な公的資金の再注入で、「先送りされてきた不良債権処理が一気に進められる可能性がある」(民間信用調査機関幹部)というわけだ。銀行の体力が弱っていたため、処理できなかった問題企業に整理・淘汰(とうた)の嵐が吹き荒れそうだ。りそなに連動し、銀行株は寄付から軒並み全面安の展開で始まった。
りそなの実質国有化が決まって初めての営業日となる19日、各支店の一般行員は通常より1時間ほど早く出勤し、不測の事態に備えた。
各店頭には、「預金や取引には影響ありません」という趣旨の張り紙が張られ、緊迫した空気が流れた。
大口の取引先については、「担当者が(国有化に至った)事情説明に出向き、理解を求める」(りそなHD)という。
預金については全額保護されるため、今のところ大口の定期解約や預金の引き出しなど、大きな混乱はないが、問題はりそなから融資を受けている取引先企業である。
りそなHDは、公的資金再注入を受け、りそな銀行が抱える2兆円3000億円(今年3月末時点)の不良債権を別会計に移して管理する。
「正常債権のきれいな部分と、不良債権を分けて管理することにより、早く経営改善できるようにする。切り離す不良債権は金融庁と協議して決め、6月中にも別会計に移されることになる見込み」(りそな関係者)
分離された不良債権は、5年後までには処理のメドをつける予定だ。金融担当アナリストは、今後の展開を解説する。
「政府は実質国有化で『監視チーム』を設置して、りそなの経営改善の行方を厳しく監視することになる。最大のテーマは、不良債権をどのように処理していくかだ」
「ズルズルと再建見込みのない問題企業を抱え続け、2兆円規模の公的資金再注入がムダになるようなことは許されない。自己資本比率は、健全化の目安である4%から一気に2%台前半に落ちた。再注入で10%まで回復し、りそなの体 力に余裕ができた分、不良債権処理がシビアになる可能性が極めて高い」
りそなと取引のある不振企業のなかで、特に注目なのが、2月から大手銀行を対象に実施された金融庁の特別検査で「格下げ」された企業だ。
信用調査機関幹部はこんな見方をする。
「三井住友銀行をメーンバンクにしていたセザールは3月に破綻(はたん)したが、これは特別検査が引き金になったともいわれる」
「同様に、りそなの取引先のなかで、特別検査で債務超過状態にある『破綻懸念先』に格下げされた会社が1社あり、経営に注意が必要な『要注意先』に落とされたところが数社あると聞く。これらの企業は淘汰される可能性が高いだろう」
このほか、りそなグループを中心に総額約5000億円の金融支援を受けた長谷工コーポレーションや、850億円の金融支援を要請中のダイア建設などに対する「風当たりが強くなるのは必至」(前出の金融担当アナリスト)とみられる。
企業淘汰はどのように進むのか。永田町有力筋はこう解説する。
「金融庁は、中小企業イジメをやっていると猛烈な批判を受けている。その金融庁とりそなが話し合って、分離する不良債権を決める」
「りそなは、首都圏のあさひ銀行と関西圏の大和銀行との“弱者連合”とはいえ、スーパー・リージョナル(地域大連合)構想を進めてきた。リテール中心の経営方針もあって、中小企業は守られる方向になり、必然的に大手企業が淘汰のターゲットになってくる」
いずれしろポイントになるのは、再建見込みがあるのかどうかだ。見込みがあれば、産業再生機構などを活用しながら再建を目指すことも可能だが、見込みなしと判断されれば、いや応なしに法的(倒産)処理などに移行する可能性がある。
意外なところでは、銀行との資本の持ち合いがある生保への影響を指摘する向きもある。
大手行幹部は、その辺の事情を解説する。
「たとえば朝日生命はりそなHDの第5位の大株主で約7900万株も保有する。国有化でりそな株が大暴落するようなことがあれば、少なからず影響が出るだろう」
「三井トラストグループの三井アセット信託銀行は第3位の株主で、1億株強を保有している。こちらも、りそなの株価には戦々恐々といったところではないか」
「りそなと同様、過小資本の大手銀行はまだある」(金融担当アナリスト)といわれるなか、企業淘汰の嵐は確実に近づきつつある。
りそなグループの主な取引先企業は次ぎのとおり。【化学】日本触媒【繊維】シキボウ【電機】ウシオ電機▼ローム▼船井電機【機械】光洋精工▼OKK【輸送用機器】シマノ【製薬】エーザイ▼日研化学【食品】伊藤園▼不二家▼ダイドードリンコ【建設・不動産】長谷工▼ダイア建設▼奥村組【小売り】上新電機▼キリン堂▼マツヤデンキ▼ニッセン
http://kabu.zakzak.co.jp/news/kiji/2003051901.html