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[日経] SARS、GDPを3580億円押し下げ――住生総研が試算
2003/05/15木曜日16:10
住友生命総合研究所は15日、中国を中心に感染が広がる重症急性呼吸
器症候群(SARS=サーズ)が日本経済に与える影響について試算を
発表した。それによると名目国内総生産(GDP)を0.07%、金額で35
80億円押し下げるという。
試算はSARSが今年9月末には終息すると想定した。この間、直接
的な影響として海外旅行の減少をまず指摘。旅行者数は中国および香港
向けが前年同期比50%、その他のアジア諸国向けは34%減少すると予想
。この結果、海外旅行支出は3580億円減少。このうち、日本人が海外旅
行先で消費する金額(2450億円)を除いた1080億円がGDPの押し下げ
要因になる。海外旅行を取りやめた人の半数が国内旅行へ振り替えると
の前提で、国内旅行支出は630億円増を見込む。
日本を訪れる外国人の減少による国内売り上げへのマイナス効果は25
0億円。SARSの感染拡大地域での消費、生産活動が減退する影響に
ついては、輸出額で2880億円のマイナスを予想。減少額の内訳は中国・
香港・韓国・台湾向けが1990億円で、インドネシア、シンガポール、マ
レーシア、フィリピン、タイ向けが各890億円。
住生総研はSARSの影響について、「今後の広がり方次第では国内
への感染不安が増大することも懸念される。また流行が想像以上に長期
化する場合、深刻な悪影響が生じる恐れもある」と指摘。各国当局の迅
速かつ的確な政策的対応が望まれるとしている。
[朝日] 「窓」―SARS
中国に留学し、そのまま北京(ペキン)で就職した26歳(さい
)の日本人女性が家族から「帰ってこい」といわれ、今月初めに帰
国した。その日から、静岡県内の自宅の2階で自発的な隔離(かく
り)生活が始まった。
看護師の姉は病院に泊(と)まり込(こ)み、老人ホームに勤め
る妹はホテルに移った。万が一にも職場に新型肺炎(はいえん)S
ARSを持ち込まないためだ。
母親は祖父母の世話を兼(か)ねて実家に行った。父親は「定年
でもう『有効期限切れ』だから」と家に残った。料理をつくり、紙
の食器で2階へ運んでくれる。父親との会話はマスク越(ご)しだ
。こうした態勢は、帰国前の本人の意向をもとに、家族会議で決め
た。
新聞、本、テレビ、パソコン、電話の子機(こき)、お菓子(か
し)、体重計に囲まれての生活。いい休暇(きゅう・か)にはなっ
たが、やがて退屈(たいくつ)に。体重は増え、友だちには会えな
い。
「少しオーバーだったかも知れない」と彼女自身も思う。でも、
患者(かんじゃ)が増え、人通りが途絶(とだ)えた北京の混乱を
見てきた。「SARSに感染(かんせん)するかどうかは本人では
どうにもならないところがあるが、病気を広げないための努力は義
務だと思った」
気になったのは、空港での緩(ゆる)い検疫(けんえき)だ。問
診(もんしん)表を提出し、体温を測る機械の前に立てば「はい終
わり」。
流行地からの入国者は「潜伏(せんぷく)期間の10日間は家族
、友人を含(ふく)め、人に会うのは最小限に」という要請書(よ
うせいしょ)を渡(わた)されるが、フォローはない。
10日間が無事に過ぎ、隔離生活は終わった。家族も元に戻(も
ど)った。〈竹内敬二〉