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(回答先: 首相「株式市場対策、即効薬はない」 日経マネー&マーケット 投稿者 小耳 日時 2003 年 5 月 15 日 16:01:04)
小泉政権の株価対策に対し、早くも経済界から「効果は薄く、大いに疑問」との声が上がる。郵貯・簡保活用による銀行等保有株式取得機構への資金投入だけでは、経済の活性化にはならない。ネックは経済オンチの『丸投げの殿』小泉純一郎首相が構造改革を唱えるばかりで、デフレ克服のヤル気が感じられないところにある。約2年前の政権誕生時の平均株価は1万3973円。「小泉さんの退陣が最高の株価対策」との皮肉も。景気回復の道筋を示せないと、8000円台に回復した株安の一服感もつかの間、再び下落の一途をたどるのは必至。日本再生は程遠い。
「短期的な株価対策だけでは、何の意味もない。早く総合的な経済対策を打ち出さないと、日本経済がスパイラル的に縮小してしまう」
ある大手銀行幹部は政府が発表した株価対策に失望の色を隠せない。
平均株価が7000円台水準に定着するという異常事態を受け、小泉純一郎首相は8日、「証券市場の活性化になすべきことを真剣にやる」と述べ、具体的な株価対策の検討を表明した。
14日には、銀行等保有株式取得機構が株式を買い取る際に郵貯・簡保資金を活用することや厚生年金基金の代行返上時期の前倒し、物納基準の緩和などを発表した。
株価対策への期待感から、平均株価は約1週間で、平均株価は8200円台を回復している。
だが、株価の押し上げ効果はどうやら、ここまでのようだ。政府の対策では、株式市場で売り手を減らすことばかりに焦点が当てられ、「経済の活性化」という視点に欠けているからである。
真壁昭夫・みずほ総合研究所主席研究員は「規制緩和などの構造改革を進めるのは当然。それに加えて補正予算を前提に、都市開発などの需要喚起効果が高い公共事業を前倒しで執行するぐらいの思い切った政策が出ないと、日本経済が上向きになるという期待は生まれない」と指摘する。
経済界には、証券税制の改正で株式市場に個人投資家を呼びこむことに加え、法人税の減税や設備投資減税などで企業活動を支援することへの期待も根強い。
それなのに、小泉内閣は「財政均衡」を金科玉条とする財務省に経済政策を丸投げしたまま。
塩川正十郎財務相やハードランディングが持論の学者大臣・竹中平蔵経済財政・金融担当相には、財務省キャリアにモノを申せる力量はない。
「補正予算や減税を実現しようとする動きは出そうにない」というのが経済界の通説である。
このまま手をこまぬいていては、株価が再び下落を始めるのは確実な情勢とみられている。
3月期に決算を終えた多くの企業は、すでに3月の月中平均株価の8200円程度で株式の含み損を処理している。
そこで、市場には「長期的に株価が上昇する見込みがない以上、株価が8300円程度の水準に近づけば、必ず利益確定の売りが出る」(準大手証券)との声が多い。
イラク戦争後の安心感で株が買われている米国の市場が落ち着けば、外国人投資家がこぞって東京市場で売りを増やす−との見方もある。
米国が「ドルが低い水準にあれば輸出に役立つ」(スノー財務長官)との立場を強めているのもマイナス材料である。
このまま円高傾向に拍車がかかり、1ドル=115円を超える水準で円高が進めば、「自動車や電機など日本経済の牽引(けんいん)役である輸出産業の業績悪化が懸念されて、株価下落の不安材料になる」(外資系証券アナリスト)との不安が広がる。
株価が下落すれば、株式を保有する企業が損失を被り、設備投資など企業活動の規模拡大に向ける資金が大幅に減る。
その結果、企業収益が悪化、倒産も増え、歴史的な株安が続いた銀行の不良債権も増大する。さらなる株安を引き起こし、あっという間に7000円台に再転落する。
負のスパイラルが原因となった「バランスシート不況」は、多くのエコノミストが指摘する日本経済の病巣である。
小泉内閣が経済政策の転換で株価を長期的に上昇させるための土台作りに取りかからなければ、病状はより悪化する。
経済界の一部には、財務事務次官が温和で柔軟とされる林正和氏となったことで、「武藤(敏郎・前事務次官、現日銀副総裁)時代よりも、財務省をコントロールしやすくなった」と政策転換を期待する向きもある。
ただ、ブッシュ米政権に追随で『忠犬ポチ公』の小泉首相に日本経済を活性化させようというヤル気と能力がなければ、先の展開は望めない。
小泉政権誕生から3年目に入り、平均株価は約四割も下落した。時価総額で勘定すると、国民の金融資産約1兆4000億円の1割近い約150兆円が消えたことになる。
「小泉首相の退陣こそがデフレ克服の最大の処方箋(せん)」(金融アナリスト)というのも、ジョークではすまされない。
「構造改革」の名のもと、痛みのみを強いられ、倒産や失業、賃金カット、リストラにあえぐ庶民が明るい将来を描けるようになるには、かなり時間がかかりそうだ。