現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産26 > 133.html ★阿修羅♪ |
|
米国ではIT、半導体分野で過去1年に日本以上のデフレが進行した為、このままでは景気回復は今年第4四半期後半から来年にずれ込む可能性が高まった。12日のサンフランシスコ連銀バリー総裁発言にも表れたように、FRB内部でもかつて無いほどにディスインフレ対策準備の必要性が議論されている。ストラテジストの宮島秀直さん(HidenaoMiyajima/Strategist)は、こうした情勢変化を反映して、「次回FOMCで0.5p利下げが実施される公算が強まった」と予想する。
<景気先行性の高い指標悪化の最大の原因は?> 米景気に対する先行性の高い4指標のうち、受注残高、鉱工業生産額など3指標が今年第1四半期に悪化、10月からの景気上昇の可能性が遠のいた。指標悪化の最大の原因は、「鉄鋼、非鉄および半導体の新規受注の減少」と言う。特に半導体/電子部品の新規受注と受注残高の減少幅は前年比-26.7%、前期比-19.5%とほぼ「失速状態」。半導体需給ピークアウトを示唆している。IT機器受注残高も購買意欲が落込んだ2月の新規受注の急減を受け前期比大幅減している。一方、通信機器は前年比+47.8%と驚異的な受注残高の伸びを示した。
<通信機器は、遂に景気拡大期のサイクル入りの公算> 今年第1四半期の金額ベース鉱工業生産指数(ISM算出)からは、米製造業に占めるシェアが非常に大きいIT、機械セクターでの価格決定力が圧倒的に購買者側にあることが浮き彫りになった。ITセクターは数量ベースの鉱工業生産指数(FRB)で過剰生産設備状態が指摘される一方、「金額ベースの鉱工業生産では20%を超えるデフレ」の影響受け、過去1年間で17.09%も生産金額が減少した。 米景気に対して高い一致性を示す「製造業在庫」のサイクル分析結果からは、「製造業全体が調整局面の入口に差し掛かったことが明らかになった」と言う。半導体は、需給ピークアウトのポジションにあり、今後半年以上をかけて緩やかに調整局面に入ることが予想される。その半導体以上に在庫サイクル上、調整局面入りの可能性が高まっているのが自動車セクターである。一方、通信機器は長いトンネルを抜けて、遂に景気拡大期のサイクルに入る公算が大きい、と見ている。
<米IT産業、一段の悪化なら日本企業に「双子のデフレ」> 以上の「先行指標」「一致指標」を総合して今後、「最も調整局面入りの可能性が高いセクターは半導体/電子部品だ」と言う。日本からの輸出額は少ないが、産業としてのピークアウト時期はこれまで世界的にほぼ一致していることから、「日本の半導体産業も調整局面入りする公算が高まった」といえる。一方、IT産業はデフレ構造業種として価格競争、リストラなど企業内外で苦闘が続く可能性が高い。同市場は日系電機メーカーの輸出依存度も非常に高く、「更に悪化すれば『双子のデフレ』の弊害を蒙る日本メーカーも増加すると思われる」。 自動車産業はデフレのリスクは低いが在庫サイクルでは今後調整の可能性高く、対米輸出依存度の高い日系自動車メーカーの増益頭打ち要因となることが懸念される。日本メーカーの対米輸出依存度が35%と高い通信機器市場は好循環期に入るため、「日系の携帯電話メーカー及び裾野産業は幅広い恩恵を蒙りはじめることが期待される」と見る。