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UFJつばさ証券・金融市場調査部長の斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist,UFJ Tsubasa Securities Co.,Ltd.)は、財務省が発表した今年1−3月の為替介入状況を踏まえ、こう語る。「投機筋の円買いポジションが膨らんだ時期の介入と、ドル円が117円を脅かすような時期に介入していたことがわかる」。ちなみに、3カ月での円売り総額は約2兆4000億円(うちユーロ買いは1000億円止まり)。介入に出た日数は都合17日におよび、「小刻みに、しかし頻繁に介入していた」ことが明らかになった。
<ドル不安の裏返しで金相場が急騰> しかし、「この5月になってからのドルの下げは半端ではない」と言う。スノー米財務長官が11日、「ドル安は輸出拡大に寄与する」として再び、ドル安を容認するような発言をしたり、為替介入を否定する発言もこれを後押しした。カナダドル、豪ドルやユーロに対する下げが顕著だが、途上国通貨に対してもドルは下げている。「まさに全面安の展開だ」。そのなかで円の上昇率が比較的小幅に止まっているのは、国内投資家の外債投資の増加もあるものの、「恐らく、裏で覆面介入がなされているためではないか」と見ている。また、イラク戦争が終結し、戦争不安が一巡したなかで、金相場が急騰している。「これはドル不安の裏返しでもある」と言う。
<3段階におよんだドル下落> ところで、斎藤さんは今般のドル下落は何段階かにわたって起きている、と言う。第1段階は、米国経済のバブルが弾け、かつテロ戦争を戦うなかで、グリーンスパンFRB議長が思い切った利下げを断行したことから、欧米の金利が逆転した。これでドル・ユーロの流れが反転した。第2段階は、イラク戦争に突入したことから、米国の双子の赤字が膨張し、しかもその資金を供給するオイル・マネーや欧州資本との関係が悪化したことから、米国の赤字ファイナンスに不安が募った。そして、第3段階は、今般の米FOMCでグリースパン議長がデフレ懸念を表明したことだ。
<グFRB議長でも、今日の米国経済はコントロール不能?> デフレ懸念表明自体は、FEDが先行きまたは追加緩和に出ざるを得ない、との示唆であるが、「実際にはもっと大きな意味合いを持っている」と言う。米国はこれまでに大胆な金融緩和を実施しており、さらには巨費を投じてイラク戦争を行った。おまけに10年で3000億ドルもの減税を柱とした巨大な財政政策の追加を提案している。「これらはいずれもインフレ要因であって、そのなかでデフレを懸念するなどということは、およそ考えられないことだ」。グリーンスパン議長は、ブッシュ大統領に、この時期に大型減税をするのは好ましくない、と進言している。その本人が、物価の安定を通り越して、デフレ懸念を表明したことは、「神様」グリーンスパン議長をもってしても、今日の米国経済はコントロール不能、と宣言したようなものだ。「それだけ、今般のドル下落マグマは大きい」と考えている。