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［日経］米国株サマリー・買いが買いを呼ぶ――投資家の焦燥感が材料に
【ＮＱＮニューヨーク＝小山文】12日の米国株式相場は続伸。ナスダッ
ク総合
株価指数は昨年６月18日以来、ダウ工業株30種平均は１月14日以来の高
値を更新した。企業収益の好調に加え、証券アナリストの先行きへの明
るい見解を背景に朝安後はじりじりと上げ幅を広げた。相場上昇に乗り
遅れ気味の投資家の焦燥感は強く、買いが買いを呼ぶ展開が続いている。
ハイテク株の地合いの強さはきょうも変わらなかった。証券会社主催
の説明会で「慎重ながら楽観的な見方」を維持することが株価上昇につ
ながるとリーマン・ブラザーズが予想し、シスコシステムズなど主力ハ
イテク株の収益回復期待を支えた。15日に決算発表を控えるデルコンピ
ュータが過去１年（52週）高値を更新。勝ち組の収益期待はもちろん、
「アプライド・マテリアルズなど業績低迷が続く企業の決算も、ある程
度の業績悪化は想定済みで、一段の下振れを指摘する声も出ていない」
（株式セールス担当者）と、警戒感は強くない。
ダウ平均の上昇率は小幅ながらナスダック総合株価指数を上回った。
イリノイ州で地域通信会社に有利な規制緩和法案が可決されたため、同
指数を構成するＳＢＣコミュニケーションズが買われた。米投資週刊紙
はアルトリア・グループについて、たばこ訴訟の有利な判決を予想、値
ごろ感を指摘する記事を掲載。幅広い業種の収益期待を強める格好にな
った。
ウォルマート・ストアーズも慎重な売上高見通しにもかかわらず売り
は限られ、全体相場が下げる場面は取引開始直後の30分程度。米国資産
からの資金流出を連想させるドル安にも「輸出拡大につながる」とする
米政府側の見解表明が相次ぎ、株式市場での売り材料にはならなかった。
投資主体別では、特に「投資信託の買い遅れ」を指摘する声が多い。
米調査会社のトリムタブスによると、８日までの１週間で米投信に15億
7100万ドルの資金が流入。４月以降、週間ベースで純流出となったのは
１週だけだ。投信会社デビッド・Ｌ・バブソンのポートフォリオ・マネ
ジャー、マイケル・ファレル氏は「機関投資家の多くは運用実績がベン
チマークを下回るリスクを避けるため、買いを入れざるを得ない状況に
なっている」と話していた。
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