現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産25 > 981.html ★阿修羅♪ |
|
UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Warburg (Japan) Ltd.)は今日のポイントとして、「日銀ETF購入へ(続)?」を挙げる。
<日銀、「ゼロ回答」という選択肢は採りにくい> 昨日、公表された与党の緊急経済対策における日銀への要請項目は、@銀行株購入、A 銀行保有株買取り枠拡大、Bインフレ・ターゲット導入、C輪番オペ増額、DETF・ 外債の購入、の5項目であった。この5項目のうち、「福井日銀は、銀行株購入、インフレ・ターゲット導入、輪番オペ増額、のいずれに対しても極めて否定的であり、政府の要請に応じる姿勢にはない」と語る。しかし、日銀にとって「ゼロ回答」 という選択肢は採りにくい。結果として、「ETFの購入検討が出てくる可能性が十分にある」と言う。
<「日銀による購入対象資産の分散」が、基本戦略> 最も重要なことは、福井日銀の戦略が「日銀による購入対象資産の分散」にあることだと言う。これまでにも繰り返し述べてきたことであるが、福井総裁 の考え方は「通貨の信認を維持するためには、中央銀行のバランスシートの健全性を維持することが必要であり、そのために中央銀行は保有資産の分散を図る必要がある」というものである。福井日銀は、国債の価格変動リスクのみを取る政策から、民間債務・株式の信用リスクをも取る政策に、徐々に軸足を移していくことになる。後になって振り返ってみれば、「福井日銀の誕生によって、金融市場におけるリスク・プレミアムの分布に大きな構造変化が生じたことを思い知らされるのではないだろうか」
<実現時、当初1兆円、3年程度で最大3−5兆円購入か> なお、日銀がETFを購入する場合、当然のことながら、市場に新たにETFを設定させ、それを日銀当座預金取引先である証券会社経由で購入することになる、と見る。既に設定済みのETFのみを購入することにはならない、とみられる。 購入規模の目安は当初1兆円、3年程度の時限措置で最大3−5兆円までは膨らむ可能性がある、と予想する。ETF購入は、「市場で証券会社から購入する」という意味で 、「相対で銀行から購入する」銀行保有株買取りとは、フレームワークの根本が異なる。
<株価対策イメージ払拭のため、大義名分が必要> 日銀にとっての最大の懸念は、そうしたフレームワークの性質のため、「ETF購入に株価対策のイメージが強く付きまとってしまうことである」。安易な株価対策のイメージを払拭できるか、が最大の焦点であり、その意味では、「大義名分としてのイベントが必要な状況に大きな変化はない」。金融危機宣言までとは行かないまでも、金融システムの脆弱性が高まっていることを客観的に示せる事象が存在した方が日銀にとっては動きやすい。ただ、政府の経済政策運営(株価対策)は徐々に「なんでもあり」の方向に向きつつあり、「これといったイベントがなくても、日銀によるETF購入を認める可能性が出てきていることに注意すべきである」と言う。