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東京 5月7日(ブルームバーグ):産業再生機構の斉藤惇社長は6日、ブルームバーグ・ニュースとの単独会見に応じ、機構の業務を円滑に行ううえでカギとなる銀行との関係について、「現実的には、銀行が企業との関係が一番深いし、情報を持っているだろう。銀行との協力が一番大事だと思う」と強調、「われわれが銀行になり代わるような、そのような恐れ多いことはないと思う。非現実的だと思う」と語った。
斉藤社長は、銀行は、企業向け債権を機構に売却することでバランスシートが改善される一方、再生した企業向けの貸し出しも可能となり、企業との関係は続くと機構活用の利点を指摘。さらに「われわれは(当初)最大で(機構のスタッフは)100人にしかならない。そこで各企業を深く知るということにはなかなかならない。核は銀行だ」と重ねて強調した。
斉藤社長は、再生機構を通じた企業再生は、1)銀行自体が事業に融資やエクイティを通じて参加できる、2)税制上の優遇措置を受けられる、3)東証上場基準の緩和される−−などの機能があることを説明。「使い勝手がいいと思うので、おいでいただける」と述べ、銀行の積極的な機構活用に期待を示した。
一方で、大手銀行は、独自に不振企業の再生に取り組みはじめた。みずほフィナンシャルグループ(FG)は6日、外資系金融機関からの出資も受けて企業再生の専門会社を設立し、経営不振企業向け貸出債権約4兆円を銀行本体から移管する方針を明らかにしている。
産業再生機構は8日に本格的な業務を開始し、主力銀行と協力しながら非主力銀行が持つ債権を集約したうえで、要管理先債権を中心に集中的に買い取る。機構は今後2カ月程度で支援先企業を決定する見通しだが、主力銀行からどれだけ案件が持ち込まれるかが、さし当たってのカギとなる。
結果的に株式市場対策にも
日本のこれまでの不良債権処理の取り組みについて斉藤社長は、「税制とか慣習とかいろいろあってやむを得ない面もあったが、海外からみると納得できない、あるいは同じ『ワーディング』ではなかった部分があった」と述べ、こうした特殊性が海外企業が日本から撤退する「ジャパン・パッシング」の1つの背景だったと説明。
これに対し機構には海外からも「同じベースで語れるのではないかという期待があって、現実に動き出せばそれだけで日本に再びお金を入れていいのではないか(という姿勢だ)」と述べ、機構の業務は「遠回りかもしれないが、株式市場への対策になるかもしれない」との見解を示した。
機構が債権を売買する際の価格設定については、「損していいとは言っていない」と負担を最小限に抑える姿勢を強調。そのうえで、定義がはっきりしないまま国民負担が発生するかどうかの問題だけが優先されると、結果的により大きな損失を招くと指摘し、本質的な問題の解決の重要性を強調した。
斉藤氏は、「一時的なコストもかけないで、これだけ大きく痛んだ経済を立て直そうというのはもう無理」と強調。経済回復を早期に実現すれば、それが結果的に国民負担の軽減につながるとの見解を示し、仮に損失が出てもそれは将来の成長のための時間を買う「コスト」だと訴えた。
東京 岩崎 まり子 Mariko Iwasaki、 小笹俊一 Shunichi Ozasa
及川美樹 Miki Oikawa、 伊藤辰雄 Tatsuo Ito
Last Updated: May 6, 2003 23:45 EDT
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000002&sid=aJkk4b9mX_5I&refer=topj