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(回答先: Re: 厚年基金の代行返上前倒し検討・厚労相 [日本経済新聞]【株価対策として意味があるとは思えない】 投稿者 武士一刀 日時 2003 年 5 月 06 日 22:34:56)
武士一刀さん、こんばんわ。
厚生年金基金は、大企業や業種団体が厚生年金に上乗せするかたちで運営している私的年金です。
厚生年金基金の代行部分は、国に納付すべき厚生年金保険料の一部を免除してもらうかわりにそれを運用し、国が給付すべき厚生年金の一部を国に代わって給付するというものです。
資金を高利回りで運用できた時代(バブル崩壊以前)は、この代行部分込みで運用することで利鞘を多く稼ぐことができました。その分年金資産の余剰が生まれ、年金基金に対する企業の負担分が軽減されました。
逆に、バブル崩壊後は運用利回りが悪化し、企業が運用利回り(1999年まで5.5%で以降4%)に達しない場合、企業がその分補填しなければならなくなりました。
この“持ち出し”を避けるための動きが、厚生年金基金の代行部分の返上です。
(厚生年金基金の代行部分の返上が認められるようになったのは、2001年の確定給付企業年金法(401K)の成立によります)
代行部分を返上すると、最低責任準備金と呼ばれる代行部分の給付に必要な金額の現在価値相当の年金資産を国に返上しなければなりませんが、ほとんどの基金はそれ以上の年金資産を積み立てているので、代行部分を返上すると巨額の利益が発生します。
このようなかたちで、代行部分を返上するとそれで生じる利益と相殺することができ、年金費用の積立不足を償却することができます。
>過去に積み立てた資産とは、われわれが給与から天引きされたものなのでしょうか。
>それを国へ返上するとは、また、国庫へ上納することなのでしょうか。
給与から天引きされたものと企業負担分が合算されたものです。
返上は国庫に上納することであり、年金の支払い義務が、企業から国に移転したことを意味します。
国も財政難で年金支給の削減などを画策していますから、、毎月一定の保険料を払ってきたのに、それに見合う年金がもらえないというリスクを背負うことになります。