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農水省は、農家が一定の所得水準を確保できるよう、農家に国費を直接に支払う方式の本格導入に向けて検討に入った。農産物自由化への圧力が高まる中、これまでのように国産品の市場価格を国費で下支えするのは難しいと判断。食糧安保や環境保全など、国内農業を維持する必要性を前面に出し、資金の出し方を抜本的に変える。ただ、ばらまきに陥る恐れがあり、論議を呼ぶのは必至だ。
農水省は農家への直接支払いについて検討チームを設置。(1)農産物の品目別になっている補助金や価格維持のための支出を見直し、品目横断的に過去の作付面積などに基づく定額支払いに切り替える(2)農薬使用量や農地の管理など環境保全の水準を設定し、減農薬による収量減などに「環境支払い」として補填(ほてん)する――などを検討する。
現在、日本を含む多くの国々は国内農家の保護を目的に、輸入品に関税をかけたうえで、国産品の価格を維持したり、急激な変動を抑えたりする制度を設け、国費を投入している。
しかし、世界貿易機関(WTO)交渉などで関税が引き下げられると、安い海外産品が流入。国産品を高止まりさせるのは難しくなる。WTOルールも関税引き下げのため、価格維持の財政支出を削減するよう義務づけている。
そこで各国はWTOルールに抵触せず、「緑の政策」と呼ばれる農家への直接支払いに比重を移してきた。日本も93年のウルグアイ・ラウンド妥結当時から直接支払いの可能性を模索。これまでは中山間地域向けなどにとどまっていたが、WTO新ラウンドの合意期限を04年末に控え、「本格導入に向け、早期に一部の具体化が必要」(同省幹部)と判断。04年度にも食糧・農業・農村基本計画を改定し、直接支払いを盛り込む方針だ。
ただ、「農家優遇」との批判が出るのは避けられそうにない。欧州などでは直接支払いによる財政負担が問題になっており、日本の財務省関係者も「支払額の設定次第では、単なるばらまきに終わりかねない」と指摘している。 (05/02 13:35)
http://www.asahi.com/politics/update/0502/002.html