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「日銀による金融機関保有株式の買い入れに関して言えば、その総額は3兆円に設定されている。とはいうものの、現時点においてこの買い入れ実績は累計で1兆円超にとどまっているのが実情だ。そこでこの残ったワクを活用する形で、金融機関が組成し、保有しているETF(株価指数連動型投信)を買い入れてはどうか、という構想が一部政府関係者の間で浮上しつつある…」
官邸中枢スタッフの1人がこう言ってみせる。
そしてこう続ける。
「竹中平蔵経済財政・金融担当相が日本経済新聞社とのインタビューの中で、『(ここへ来ての大幅な株安について)短期の売りを吸収できる仕組みが必要…、連休明けの経済財政諮問会議で議論したい−』とコメントしているが、この発言はそうした“構想”を意識したものと考えてもらっていいだろう」
もしこの構想が実現したならば、株式マーケットに相当なインパクトをもたらすことになるのは間違いないだろう。
「ここ最近の大幅な株安を受けて、これまで以上に日銀に対して株購入圧力が加えられていくことは間違いない。具体的には、日銀に対してETF購入要求が強まっていくことになるはずだ。だからといって日銀サイドとしては、無原則な形でのETF購入には絶対に応じられないだろう。仮にETF購入に踏み込むにしても、何らかの一定の歯止めが必要になってくるだろう。だとしたら、そうした“構想”は注目に値すると言っていいだろう」(メガバンク役員)
去る3月25日、日銀は「政策委員会・通常会合」を開催し、金融機関保有株式買入総額上限をこれまでの2兆円から3兆円に、一金融機関あたりの買入限度額を5000億円から7500億円に引き上げることを決定した。
「ここで注目すべきなのは、この決定が日銀の最高意思決定機関である“金融政策決定会合”ではなく、“通常会合”において行われたということです。そもそも日銀が金融機関が保有する株式を購入するにあたっては、一定の格付け以上の企業の株に限定されていますが、格付けを持たないETFの扱いをどのようにするのか、機関決定はどうしても必要になってくるでしょう。しかしそうした機関決定についても、これまでの政策の部分修正にすぎませんから“通常会合”で行えばいい、ということになります。だとしたら、日銀は極めて弾力的にETFの購入に動くことができるようになるでしょう」(前出のメガバンク役員)
しかしここで問題なのは、ETFを組成・保有している金融機関は、東京三菱銀行に限定されているという点だ。
東京三菱銀行は、2001年11月に5000億円、2002年6月に5000億円、保有株式からETFを組成し、これを保有している。
「そして、このETFについては順次マーケット売却を進めています」(東京三菱銀行幹部)
つまり日銀が、金融機関が保有するETFの購入に踏み切ったとしても、現状ではそれは事実上、東京三菱銀行保有分に限定されてしまうことになる。果たしてこの部分をどのようにクリアするのか、課題は残るだろう。
いずれにしても、この議論の今後の推移には要注目だ。
2003/5/2