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【ワシントン竹川正記】ブッシュ米大統領は1日、イラク戦争の戦闘終結宣言をした。しかし、米国の金融市場には歓迎ムードは乏しい。戦争の不透明感が消えても、企業の設備投資意欲は冷え込んだままで、雇用不安で個人消費にも陰りが見えるなど、景気低迷の長期化の懸念が消えないからだ。米景気が、イラク戦争終結にメドがついても盛り上がりを欠くことで、世界経済への不安も高まっている。
「回復が昨年より加速すると信じている。ただ、時期や程度は分からない」。4月30日の議会証言でグリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は楽観論を強調しつつも、警戒感を隠さなかった。1〜3月期の米企業収益は改善傾向を示したが、源泉は売上増でなくリストラ。経済界では「年内は設備投資や雇用の回復は見通せない」(モルガン・スタンレーのスコット社長)と見ており、同議長も「企業心理は改善していない」と証言した。
リストラを反映し、4月の新規失業保険申請者数は週平均で44万人を超す高水準で、同30日発表のABC消費者信頼感指数は5週間ぶりに悪化。戦勝の高揚感よりも失業不安を高める消費者心理を鮮明にした。個人消費の息切れは企業活動を一層圧迫。販売奨励金上積みにも関わらず、4月の新車販売が前年同月比6.2%減と4カ月連続前年割れし、米大手3社は設備投資どころか、生産調整に動いている。このため「今年後半の本格回復」期待は危うくなり、1日のダウ工業株30種平均株価は一時、前日比140ドル近く急落した。
ブッシュ大統領はイラク戦争の短期圧勝の余勢で、今後、大型減税を軸に景気浮揚に注力する構え。来年6月任期切れのグリーンスパン議長の再任を早くも固め、万全の陣容も敷いた。しかし、肝心の雇用対策に妙案はなく、個人消費を盛り返せるかは不透明。
02年米貿易赤字が過去最高の4000億ドルを超すなど、世界経済が米消費者に依存する不均衡が拡大しているだけに、日本や欧州は米景気の行方に気をもんでいる。
[毎日新聞5月2日] ( 2003-05-02-20:14 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20030503k0000m020058000c.html