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かつて韓昌祐がこれほどいい気分だったことはない。世界第二位の日本経済が苦しんでいる時、日本最大のパチンコ・パーラーの経営という彼のビジネスはトントン拍子に成長している。韓氏は北海道から九州まで121店舗を擁し、昨年の売上高が5760億円にのぼるマルハン株式会社の設立者であり、会長である。デフレが企業収益を蝕むなかでマルハンの売り上げは98年以来3倍に増え、韓会長は2005年までにさらに売り上げが倍増するとみている。来年はパチンコ会社として初の東証上場を目指している。
パチンコ産業は日本の自動車大手5社の売り上げに並ぶ、年間売り上げ28兆円のビッグ・ビジネスである。だが、パチンコ産業は零細企業が中心で、1%以上のシェアを持つ企業はまれだ(最大手のマルハンで2.05%)。従来、パチンコ産業は不況抵抗力があると見られていたが、今回の景気後退では他の娯楽産業と同様、低迷に悩んできた。ビデオゲームや映画、スキー・サーフィンに走る若者のパチンコ離れも影響している。銀行がリスク回避的になっていることもパチンコに限らず、零細企業を廃業、倒産に追い込んでいる。昨年のパチンコ人口は1900万人と、ピーク時点の3割減である。
しかし、こういった苦境はそれぞれの業種のNo.1企業にとっては追い風となっている。マルハンは借り入れを拡大して地価の下落で入手可能になった中心地への出店を加速させている。アメニティの改善による集客力アップも狙っている。主婦層の開拓のために冷蔵庫を設置しているし、若い人向けの賞品にハンドバッグやスイス軍用ナイフなどを陳列する。
パチンコ屋というイメージは、従来アングラ的雰囲気をたたえていたが、綺麗で明るく、清潔で大型のパチンコ・パーラーは過去のイメージを払拭するのにも役立っている。莫大なキャッシュフローにもかかわらず、パチンコ経営者は日本の財界でようやく存在を認められ始めたばかりである。大手チェーンがパチンコ産業に参入するにつれ、その社会的責任も高まっている。
(米ニューヨーク・タイムズ4月17日)
http://www.nier.co.jp/kijikanri/choryu/choryu-00502.shtml