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国の予算で、原子力発電所の周辺整備や新エネルギー開発などに使うエネルギー関連特別会計が計画通り執行されず、剰余金が8000億円に膨らんでいることが28日分かった。事故などが相次いで、原発の立地に遅れが出たことや、石油事業が計画通りに進まなかったためで、毎年度、数百億円規模のペースで剰余金が増えている。
国の財政は税収が歳出の半分程度しかないなど主要先進国の中でも最悪の状態だが、一般の予算と切り離された特別会計では硬直的な予算制度の下で無駄な資金が積み上がっている格好で、今後、特会の見直しを求める声も広がりそうだ。
多額の剰余金があるのは、原発の周辺整備などを進める「電源開発促進対策特別会計」と、備蓄石油事業や油田開発プロジェクトなどに支出する「石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計」。
01年度に電源特会は約2600億円の剰余金が出た。過去の剰余金の累積額を含めた歳入約6200億円に対し、歳出が約3600億円だったためだ。石油特会も歳入約1兆1400億円に対し歳出は約6200億円にとどまり約5200億円の剰余金が出た。02年度にはさらに増えている可能性がある。会計検査院は「資金滞留を解消するための措置を検討する必要がある」と指摘している。
電源特会は、原発の建設を円滑に進めるため、立地する市町村などに対して道路や公園、公共施設などを建設する交付金を支出したり、新エネルギー開発に補助金を出したりする。
しかし、95年の高速増殖原型炉「もんじゅ」の事故や99年の茨城県東海村のジェー・シー・オー(JCO)施設での臨界事故の影響で原発の立地計画が遅れ、90年代後半から毎年、100億円以上ずつ剰余金が増えた。今後も原発建設の見通しが立たない中で予算を消化するめどは立っていない。
石油特会は、国の備蓄石油を放出する際の資金供給や、油田などの開発プロジェクトの資金を支出している。特会の中の石油等勘定で、想定していた備蓄石油の放出がなかったり、開発プロジェクトが不調に終わったりするなどして、毎年数十億〜数百億円の規模で剰余金が膨らんだ。
両特会はそれぞれ、電力会社から徴収する電源開発促進税と、原油などの輸入業者らが負担する石油税などを収入源としている。「安定した税収があるため、歳入の増減を心配せずに予算編成できる仕組み」(財務省幹部)。予算が余る状況が続いても、毎年、予算の規模は維持される。
両特会を所管する経済産業省・資源エネルギー庁は「原発の周辺整備はいずれ支出しなければならない。備蓄石油向け資金は緊急時対応のためにも確保が必要だ」として制度の見直しに否定的だ。
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国の特別会計 国の予算を管理する、「財布」の一つ。一般的な経費を扱う「一般会計」に対し、特定の事業のために支出する「特別会計」は分離して運用されている。現在、空港整備や道路整備など32会計があり、03年度予算の総額は一般会計81兆8000億円の4.5倍の369兆円。予算のチェックが甘いとの指摘や使い方が不透明という指摘があり、財務省は見直すために予算執行調査に乗り出した。
(04/29 07:40)