現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産25 > 642.html ★阿修羅♪ |
|
WSJ-AT&Tをめぐる身売りのうわさ
2003/04/23 16:47
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル) 米通信最大手AT&T(NYSE:T)と84年に分割されたベビー・ベルと呼ばれる地域通信会社との間の合併交渉は正式には行われていない。しかし、事情筋によると、地域通信会社のうち、とくに大手のベルサウス(NYSE:BLS)の取締役会は最近、合併のシナリオを検討した。引き金を引きそうな人がいるわけではないが、何らの進展もないとは言い切れない、という。
AT&Tとの合併を好意的に見ると、400万の企業顧客を抱え、年商260億ドルのAT&Tは株価も割安な上、地域通信会社の事業拡大の機会を提供する。米通信大手のワールドコム(WCOEQ,MCWEQ)は社名を「MCI」に変更し、連邦破産法下からの再建完了を目指していることから、通信業界での再編の必要性が叫ばれはじめた。
AT&T株がどれほど下落したのか?今年はじめに比べ13.91ドル半減し、株式時価総額は108億ドルに下げた。ダウ構成銘柄では下落幅が最大となった。また、トムソン・ファイナンシャル・コールの集計した03年の1株利益のアナリスト予想平均をベースにするとAT&Tの株価収益率はおよそ7.8倍で、ベル系地域通信大手のベルサウスやSBCコミュニケーションズ(NYSE:SBC)の12、13倍よりかなり割安となっている。
投資家はAT&Tが買収されるとの前提でAT&T株を買い急ぐことはないようだ。ソブリン・アセット・マネジメントのシニアアナリスト、スティーブ・パスパル氏は、今すぐの合併はないと予測。通信セクターが依然、低迷していることから大底はまだ、付けていないと見ている。
AT&Tは株価が割安で、投資家が冷静なのにも拘わらす、依然として合併のうわさは消えない。AT&Tのデビッド・ドーマン会長兼最高経営責任者(CEO)は、投資家の間で合併のうわさが巡っているのを承知しており、AT&T株が割安なことも認めている。しかし、AT&Tを13ドルで売るつもりはない、と述べた。さらに、通信業界は構造的に脆弱であり、かなり逆境の影響を受けていることを誰もがわかっている。そのため、最初に思いつくのが買収・合併。ただ、いますぐに、それを受け入れるつもりはない、と付け加えた。
SBCの名前を挙げるアナリストもいるが、過去に買収提案した実績のあるベルサウスがAT&Tの有力な買収候補先になっているようだ。ベルサウスは2001年にAT&Tと買収についての予備交渉を行った。ベルサウスがAT&TのケーブルTV事業を含む買収に興味を示さなかったため、この時の買収交渉は破談になった。今回、新たなAT&T買収について、ベルサウスの広報担当は、たくさんのうわさや憶測が飛び交っているが、それに関してはコメントしない、と述べた。
年商224億ドルのベルサウスは、米国の9つの州で通信事業を展開。他のベル系地域通信会社同様、新たな拡大戦略により増収を目指す。ベルサウスとAT&Tは地理的な事業領域で重複する部分はほとんどない。さらに、両社の経営陣同士は互いを知っており、互いの事業を周知している。また、ベルサウスのゲリー・フォーシー副会長が米通信大手スプリント(NYSE:FON)の最高経営責任者(CEO)に就任。この突然の転職で後継者が不在のままになっている。さらに、AT&Tのドーマン会長はベルサウスの本社のあるアトランタ育ちで、ベルサウスのドーン・アッカーマン会長とは友達付き合いをしている。
(4月23日付のHeard On The Streetより)