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[日経] 決算の焦点 民生用電機(1)求められる具体的な事業・収益計画
【NQN】24日のソニー(6758)を先頭に25日のシャープ(6753)、三
洋電(6764)、28日の松下(6752)と民生用電機の大手メーカーが相次
ぎ前3月期決算を発表する。4社のここ半年ほどの株価をみると「右肩
下がりを続けるソニー、松下」と「昨秋を底に戻り歩調にあるシャープ
、三洋電」とではっきり明暗が分かれる。今回の決算発表では、各社が
将来をかける事業は何なのか、そしてそれによっていつ、どの程度の収
益を稼げるのかという見通しを、どれだけ具体的に投資家に示せるかが
注目される。(下野和典)
ソニーを除く3社はすでに前期業績の下方修正などを発表ずみだ。前
3月期の連結最終損益は、従来予想からの変更でみると、三洋電が「80
億円の黒字→700億円の赤字」、松下が「250億円の黒字→235億円の赤
字」、シャープが「370億円の黒字→320億円の黒字」とそれぞれ悪化。
いずれも保有株式の評価損が大きく、本業以外で痛手を被った。投資家
にとっては「本業のもうけである営業利益は従来予想を下回っていない
」ことが投資のよりどころとなっている。ソニーは昨年の9月中間決算
で発表した連結売上高7兆6000億円、純利益1800億円を修正していない
。あす以降の決算発表の場では、2004年3月期の営業利益見通しがどの
程度伸びるのかが株価を左右することになりそうだ。
ソニーの安藤国威社長らは21日に開いた記者会見で、次世代の家庭用
ゲーム機や映像情報機器向けに使う最先端半導体の製造ラインに今後3
年間で2000億円投資すると発表した。ただ、会見の席では新半導体の具
体的な出荷時期は明らかにせず、投資回収の見通しなども含め、5月に
開催する経営計画説明会の場に先送りした。
ソニーにとっても大きな投資だけに「出荷時期や回収のタイミングに
ついての会社計画がわからなければ、2―3年先のソニーの収益計画を
立てられない」とある外資系証券アナリストは話す。
日本グローバル証券の田部井美彦アナリストは「普及が進んだ『プレ
イステーション2』を今後どう活用するかや、生活のあらゆる場面でコ
ンピューターが活躍するユビキタス社会を見据えた具体的な事業計画を
示さなければ投資家の関心は集まらない」と見ている。=(2)に続く
l 決算の焦点 民生用電機(2)中核商品の育成が必要
民生用電機4社の間で株価の基調が分かれているのは「ソニーと松下
株には企業年金の代行返上に伴う売りが多いため」と説明されることが
多い。しかし需給以外にも「中核ビジネスの有無が影響している」との
声がアナリストらから聞こえてくる。ソニー、松下は企業規模が大きく
、中核となっている事業が見えづらい。加えて「ソニーの業績には世界
的なマクロ経済動向が大きく影響する」(モルガン・スタンレー証券ア
ナリストの山本高稔氏)。海外への収益依存度が高く、米欧の景気や消
費意欲が弱含めば、中期的に打撃を受けかねない。新型肺炎、重症急性
呼吸器症候群(SARS)のマクロ経済への悪影響も懸念される。
これに対し、三洋電は従来からの家電事業の構造改革を進める一方、
電池や電荷結合素子(CCD)、有機EL(エレクトロ・ルミネッセン
ス)といった、マクロ経済にさほど影響を受けずに済む成長製品を中核
に据える姿勢を鮮明にしている。シャープも液晶や欧州向けの携帯電話
、CCDなどが堅調だ。
23日も年初来安値を更新したソニー、約20年前の株価水準に下がった
ままの松下の株価が回復基調に入るためには、経営者が具体的な事業戦
略を示して投資家の安心感を取り戻すことが必要だ。
QUICKコンセンサス(23日時点)による各社の2004年3月期の連結業績推定は下記の通り。
(単位億円、カッコ内は前期推定比、%、▲は減少。ソニー、松下、三洋電は米国会計基準)
ソニー 松下 三洋電 シャープ
売上高 76860 (1.0) 75095 (3.4) 22444(3.3) 21432 (6.6)
営業利益 3430(18.9) 1579(34.5) 886(20.0) 1043 (7.4)
経常利益 3399( 5.9) 1511(74.1) 529(―) 845 (8.9)
純利益 1806(▲2.1) 714(473.2) 259(黒字転換) 415(31.4)