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▼23日のポイント@/米英→欧州へ、イラク開戦後に資金回帰する欧州勢
UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Warburg (Japan) Ltd.)は今日のポイントとして、「米国経済との遮断をアピールすべき」を挙げる。同社では、98年4月から、週次ベースで、顧客の株式投資データ(クロス・ボーダー)の集計を開始している。顧客の投資フローを為替相場分析に反映させる こと等を目的としたものである。因みに、同社の顧客カバレッジは、世界全体の株式投資フローの約9%に相当すると言う。
<米国からの資金流出、3週連続が確認された> さて、先週の顧客フローからは、「米国からの資金流出が継続していることが確認された」と語る。3週連続のネット資金流出(1.9億ドル)であり、4週間移動平均のベースでは、4.9億ドルのネット資金流出となっている。イラク戦争開始後の5週間 累計では21億ドルの資金流出となった。一方、先週、欧州(イギリスを除く)には、5.4億ドルのネット資金流入があった。米国に加え、イギリスから流出した資金も流入している模様である。欧州は、イラク戦争開始後、5週連続でネット資金流入となっており、累計額は20億ドルとなった。これは、「米国からの資金流出額とほぼマッチする」と言う。こうした中でアジア・太平洋地域は取り残されている。 先週こそ、1.5億ドルの資金流入があったが、4週間移動平均ではほぼゼロであり 、またイラク戦争開始後の累計も高々5億ドルの資金流入に過ぎない。イラク戦争開始後、国際株式投資のフローは「米国から欧州大陸諸国へ」という構図になっている、と言う。
<米国経済実体に、より悲観的なことの証左> イラク戦争の早期終結観測にもかかわらず、「米国から欧州へ」といった資金の流れが継続していることは、「国際投資家が米国経済のファンダメンタルズにより悲観的になっていることの証左とみることができる」。さらに、アジアへの資金流入も盛り上がりを欠いていることは、日本を含むアジア経済における米国経済依存度の高さを反映したものと言える。欧州の主要ファンドは、「米国とアジアを敬遠し、域内に資金を回帰させる姿勢にある」と言う。(つづく)
▼23日のポイントA/株式需給改善には、内需刺激策の早期導入が有効
UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Warburg (Japan) Ltd.)は今日のポイントとして、「米国経済との遮断をアピールすべき」を挙げる。
<ハードランディング型改革、結果的に金融社会主義を強める> (@のつづき)株式市場の需給改善には、海外からの資金フローが欠かせない。そして、海外( 特に欧州)からの資金を呼び込むためには、「内需刺激策を積極的、かつ早期に導入することが望ましいのではないか」と語る。金融改革、産業構造改革が日本経済の再生に必要なことは言うまでもないが、現行の法体制の下では、混乱を経ずして、改革を進めることは困難である。海外投資家は、日本でハードランディング型の構造改革が実施されるリスクが残っていると看て取れば、暫くは日本市場への投資を積極化させないばかりか、場合によっては、資金を引き揚げる可能性すらある。ハードランディング型の改革は、短期的には、株価と円相場の大幅な下落を伴う可能性が極めて高いからである。しかし、重要なことは、「こうして日本を逃避した資金が、その後、日本に順調に戻ってくる保証はないということ」である。ハ ードランディング型の改革であったはずなのに、結果として、金融社会主義が強まってしまう可能性もあるからだ、と言う。
<財政刺激策導入し、ある程度の円高許容が望ましい> 漸進主義的な改革路線を維持しつつ、内需刺激策を優先した場合、「海外、特に、 欧州からの資金流入は増加する可能性が高い」と見る。世界的なデフレ傾向の強まりの下で、財政刺激策の実施に対するアレルギーは大きく後退しているからである。「政府が、まず実行すべきことは、弱体化が予想される米国経済との遮断をアピールすることであろう」。なお、為替円安誘導政策は海外投資家からは評価されないとして、こう続ける。「円安政策は、米国経済に対する依存度の高さを敢えて確認するような政策であり、米国経済に対する投資家の見方が後退している状況では、逆効果になる可能性が高いからである」。財政刺激策を導入し、ある程度の円高を許容することの方が望ましい、と言う。