現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産25 > 569.html ★阿修羅♪ |
|
鉱工業生産指数は5年に1度行われる改訂で採用品目や構成ウェイトが変更されるが、4月18日に過去に遡って大幅なリバイスが行われた。BNPパリバ証券会社・経済調査部チ−フ・エコノミストの河野龍太郎さん(Ryutaro Kono/Chief Economist, BNP Paribas Securities(Japan) Ltd.)によると、この結果、改訂前の旧系列では02年9月-12月まで4ヶ月連続で減少していた生産指数が、「10-12月も 前期比+0.4%(旧系列では同▲1.0%)と改善が続いていたことが明らかになった」
<10−12月GDP成長率は潜在成長ペースで拡大> 従来から、同社は「02年10-12月の鉱工業生産の落ち込みは、主に季節調整の問題など統計上の問題から生じている可能性が大きく、他の経済指標から判断すれば むしろ製造業セクターの実態はゆっくりとした改善傾向が続いている」と指摘してきた。同社が想定していたとおり、生産は悪化に転じておらず、7−9月に比べるとペースは鈍化したが、秋口以降も緩やかな改善が続いていたことが新系列で は確認された。「精度の大幅に向上したGDP統計でも02年10−12月の成長率は前期比 +0.5%(同年率2.2%)と潜在成長ペースで拡大している」。 なお旧系列では、付加価値の高いデバイス製品やデジカメなどの成長産業が指数の構成対象となっていなかったり、低いウェイト付けしかされていなかったが新系列ではこれが改められた。また、ワープロやポケベルなどほとんど生産されていない品目が新系列から取り除かれた。
<今後、国内需要には期待薄の日本経済には黄色信号> 「問題は1−3月以降である」と見ている。生産指数は、1−2月をならしてみるとわずかながらのプラス(ほとんど横這い)で推移。悪化はしていないが、改善がほとんどストップしている状況である。乗用車の輸出減少から、同部門の生産が減少していることが、生産回復の足を引っ張っている。こうした状況は、3月調査の短観や大口電力販売など他の経済指標からも読みとれる。背景には、最終需要地である米経済の回復の遅れがあるとして、こう続ける。「最近発表されて いる米国の経済統計も低調なものが多く、デフレと資産デフレで国内需要にはほとんど期待できない日本経済には黄色信号が灯っている」
<年明け以降“グロースリセッション”に入った> 1,2月の経済統計から推計すると、1−3月のGDP成長率は前期比+0.3%(年率+ 1.4%)程度となる見込み、と言う。プラス成長という意味では、回復が続いている。だが、「潜在成長率(2%〜3%)を下回る成長まで低下したという意味では、年明け以 降“グロースリセッション”に入ったといえる」。米国経済の回復が遅れているため、マイナス成長にならなくても、4−6月もこうした状況が続くとみられ、年前半は景気は底這いの状況が続く見通し、としている。