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(回答先: 日銀、銀行に生保向け劣後ローンなどに引当金を積むよう要請へ―朝日【ブルームバーグ】 投稿者 hou 日時 2003 年 4 月 19 日 22:24:54)
日時 平成13年6月27日
場所 総評会館401会議室
演題 高まる内部監査・外部監査への期待
講師 中央大学法学部教授
野村 修也 氏
(文責:No.526 富山伸夫)
はじめに
講師の野村氏は、同大学で多くの講座を受け持たれる他に、非常勤で金融庁検査局参事を引受られ、同庁の金融検査マニュアルの作成に当たるワーキンググループの座長としてご活躍されています。今回の出席者は43人で、非常に熱心な質疑が交わされました。
講演要旨
1. 内部統制システムとは何か
(1) 内部統制システムの社会的意義
内部統制システムは、従来は管理会計などのように経営者の任意な行為とされて来たが、昨年判決の出た「大和銀行株主代表訴訟事件」(後述)が判例となって、今後は経営者の義務行為と見なされるようになった。
このことの社会的意義は極めて大きいもので、従来は内部統制システムが不備でも結果さえ良ければ合格とされてきた会社経営が、これからは信用面で合格とはされなくなり、金融市場での資金調達が困難となるということを意味する。
金融検査マニュアルは、このような考え方で作られており、システム監査も単にそれだけではなく内部統制システムの一環として考えるべきである。
(2) 体制構築のポイント
内部統制システム構築のポイントとしては次の4点がある。
基本的体制が確立しているか
具体的な手引書(マニュアル)が整備されているか否か
具体的な実践計画(プログラム)が整っているか否か
統制環境が整っているか否か
機能を発揮しているか否か
このうちもっとも重視されるのが、4.の統制環境で、トップの意識や企業文化・職場の雰囲気等を含めている。
(3) 理論的背景としてのCOSOレポート
上記のような内部統制の考え方は、その基礎を、トレッドウエイ委員会支援組織委員会(Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission:COSO)が、1992(平成4)年に公表した「内部統制の統合的枠組み(Internal Control-Integrated Framework)」に置いている。
COSOレポートに示された内部統制の考え方
内部統制の3つの目的
業務の有効性と効率性
財務報告の信頼性
関連法規の遵守(コンプライアンス)
5つの構成要素
統制環境
リスクの評価
統制活動
情報と伝達
監視活動
統制環境
誠実性と倫理的価値観
経営者の能力に関する取組み
取締役会・監査委員会のあり方
経営者の哲学と行動様式
組織構造
権限と責任の割当て
人的資源に関する方針と管理
プロセス重視の内部統制
内部統制とは、「(a)財務報告の信頼性、(b)業務の有効性と効率性、(c)関連法規の遵守というカテゴリーの諸目的の達成について、合理的な保証を与えることを意図して設けられた、企業の取締役会、経営者、その他の従業員により実施されるプロセス」と定義されている。
なぜ内部統制が重視されるに至ったかを簡単にいうと、リスクがある全ての取引を実査することは不可能なのでサンプリングによるしかない。内部統制のなされかたによりセレクトするわけだが、顕在化したリスクそのものよりリスクの出方の方を問題とする。つまり、プロセス重視、環境重視である。
では何をもって正しい内部統制か、その枠組みとしてCOSOレポートが出てきた。BIS(国際決済銀行)の銀行監督委員会(バーゼル)で、世界的な銀行監督基準として、COSOの銀行版を出した。これに基づき金融検査マニュアルを作ったが、一般事業会社にも無視できないものとして間接的に浸透してゆくと思われるので、これで内部統制が初めて企業文化に乗ったことになる。
(4) 内部統制システムの基本構造
リスクを取って利益を追求するフロント部門に対し、どのような形態のリスクを管理するかで、与信審査部門や法務部門や検査部門等等の位置付けに様々な管理構造がある。金融機関の伝統的な検査部は、事務リスクに限定した内部監査であったが、監査までを含めて内部統制システムと考えると、これからは、各種のリスク全体を見るもっと大きな役割を担う必要がある。こうした内部監査が外部監査及び監査役監査とセットになって企業の内部統制システムを形成するとなると、当然企業のガバナンス構造の変革をせまるものとなる。
日本の監査役会は、建前上は取締役会から独立したものとなっているが、監査役任免の実態と、米国やドイツに見られるような取締役に対する選解任権がないことから、外部から見て信用のおけるガバナンス構造であるとは言いかねる状態である。
コンプライアンス体制の整備と取締役の責任について、従来の会社法学では、体制不備の責任は不問に付される可能性が高かったが、米国でも日本でも株主代表訴訟の判決により、その責任を追及されるようになった。逆に充分であったのに起きてしまった事故に対しては免責又は軽減という考え方になる。
2. 金融検査マニュアルにおけるコンプライアンス体制
金融スキャンダルや住専問題など大蔵省の護送船団方式の破綻から金融監督庁が出来た経緯はご承知のとおりであるが、金融検査でどう検査す