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(回答先: 日銀は、プルーデンス政策(信用秩序維持政策)を取り戻したいだけ 投稿者 hou 日時 2003 年 4 月 20 日 08:22:34)
1.バランスを失した日本経済 ――超低金利と巨額の財政赤字
1990年代以降の日本経済は、恐ろしいほどの低成長に見舞われている。その事実と同時に、マクロ経済の姿を大局的に眺めてみた場合にも、いくつかの局面で著しいインバランスを示しているといわざるを得ない。いくつかのインバランスの中で、本稿では、財政赤字の巨額さと、金利の低さの二つを問題にしてみたい。
http://mitsui.mgssi.com/world/0210/eco_01.html
ここで、プルーデンス政策とは何かについて触れておこう。新日銀法を背景にした日銀自身の規定によれば、「日銀の目的」は「物価の安定」と「金融システムの安定」とされている注 i 。このうち前者は、「インフレなき持続的成長」の達成を意味し、上に述べた総需要調整策としての金融政策、すなわちマネタリー政策を通して達成されると解されるが、後者に関しては、通常は考査など金融機関に対するモニタリングや「最後の貸し手(lender of last resort)」機能などセーフティーネットの提供によって達成されるものと考えられる。こうした後者に関する手段によって、日銀は金融庁とともにプルーデンス政策を分担している注 ii 。すなわち、そのうち金融機関に課する健全経営規制(BISの自己資本比率規制)や預金保険制度、さらに金融機関の破綻処理ルールの設定などは、金融庁の守備範囲に入る。
つまり、まず資産の査定を透明にして、債務超過に陥るなどして存続の可能性が低い金融機関については、精算や健全行への合併・事業譲渡といった形で破綻処理を行い、また自己資本が不足していたとしても存続可能と判断されるものについては、資本注入を行うなどの「破綻前処理」(事実上の救済)を行う制度的枠組みが、きちんと作られているべきであった。それを整えることで、健全な金融機関にまで破綻の疑念が伝染する、システミック・リスクは回避されるはずであった注 iii 。