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外為、「ドル安」の狼が来る? 米経常赤字の質的変化に注目
【NQN】18日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=119円台後半での
小動きに終始した。欧米が復活祭(イースター)休暇に入るため、東京
市場も開店休業状態。参加者はすっかり様子見を決め込んだ。ただ、今
週の円の安値は東京市場で週初に付けた1ドル=120円83銭。一週間を通
じて円の下値が切り上がったとあって、円の底堅さ、ひいてはドルの上
値の重さを印象づける結果となった。
ドルの不安要因として常に指摘されるのが米国の経常赤字。米国に流
入する海外資金が細れば、ドルが急落しかねないとの説だ。これまでの
ところ「ドル急落」は回避され、「狼(おおかみ)少年」のらく印を押
された感すらある。しかし、イラク戦争が事実上終結し、米国景気に市
場の関心が集まる中で、改めて問題の根深さに着目する参加者が増えて
いる。
「経常赤字の『質の変化』に注目している」。三井住友銀行の大中道
康浩・市場営業統括部調査グループ長はこう語る。クリントン前大統領
の時代には情報技術(IT)企業の高成長が海外投資家の資金を引きつ
けた。一方、現在のブッシュ政権が重要視するのは安全保障問題。海外
からの資金が流れ込む先が民間部門から政府部門へと入れ替わったこと
になる。結果としてドル資産の期待収益率は低下。大中道氏は「ドルの
下落圧力に働く」とみる。
米国では経常赤字だけでなく、財政赤字と併せた「双子の赤字」の懸
念が再び強まっている。イラク戦争が短期間で終結に向かったため、戦
費は米政府が当初想定していたよりも少なくなる公算が大きい。しかし
、気になるのは戦後にブッシュ政権が力を入れるとみられる経済政策の
行方。ブッシュ大統領の支持率は対イラク開戦で上昇したものの、水準
は父親のブッシュ元大統領の湾岸戦争時を下回っているという。戦後の
景気対策につまずいて再選に失敗した父親と同じ轍(てつ)を踏むのを
避けようと「大盤振る舞い」すれば、財政赤字拡大に歯止めがかからな
い可能性もある。「狼」の登場をはやしたドル急落論の再浮上に、そろ
そろ備えておく必要があるかもしれない。(西田玲子)