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[Quick]新年度運用を聞く 新規投資はヘッジ付き外債で・日生の古市氏
【NQN】古市健・日本生命保険財務企画部長 2003年度は一般勘定資
産が前年度と比べて数千億円増える見込みで、新規投資は主に為替ヘッ
ジ付きの外債投資に振り向ける予定だ。企業向け融資が減る分もヘッジ
付き外債を増やすことで穴埋めする。現時点ではヘッジ費用を考慮して
も、国内債券より利回りが高い外国債券に投資妙味があるためだ。リス
ク分散の観点からも外債投資を増やすことに意味はある。ヘッジ付き外
債を含む円金利資産は従来通り、全体の7割程度とし、安定した運用収
益の確保を目指す。
外債投資の対象地域をおおまかに分けると、2002年度末時点で米国の
比率が6割、欧州が4割で、2003年度も現状の比率を大きく変えるつも
りはない。ヘッジなしの外債残高は増やす予定はないが、為替相場や金
利の動きをにらみながら投資方針は柔軟に見直す。
世界的に景気の低空飛行が続きそうで、米欧とも利回りが急上昇(債
券相場が下落)するような環境にはないとみている。米国の経済成長率
は日本に比べれば高くなりそうだが、それでも先行き不透明感は強い。
イラク戦争が終わっても、米国とシリアの緊張が高まるなど中東情勢を
巡る懸念がくすぶるほか、米のブッシュ政権が大規模減税など景気刺激
策を実施できるかどうかも微妙。景気の力強い回復には多くを期待でき
ない。外需への依存度が高い欧州各国も景気低迷が長期化しそうだ。
国内では国債の利回りが異常な水準まで低下している。デフレが長引
く中、2003年度も利回りの低位安定が続き、新発10年債利回りは0.5―1
.1%の範囲を中心に推移するとみている。新発10年債で0.6%台という
現在の水準はやや過熱感があるとみているため、積極的に上値を追って
買うつもりはなく、残高を維持する程度にとどめる。社債など信用リス
クのある資産は、国債との利回り格差で妙味があると判断した銘柄は買
うが、基本的に残高は現状維持の予定だ。
国内株式市場では日経平均株価がバブル経済崩壊後の最安値圏に沈む
など、既に売られすぎているとみている。株安が進んだことで配当利回
りの高い銘柄が増えているため、銘柄を入れ替えながら株式の残高自体
は維持する。
l 新年度運用を聞く 20年債投資も視野に・東京三菱銀の山内氏
【NQN】山内暁・東京三菱銀行資金証券部円債投資グループ次長 20
03年度の円建て債投資は、国債を中心に保有残高を前年度末の約10兆円
から横ばいか、減らす方向で検討している。企業向け貸し出しでは中小
企業の融資先を掘り起こそうとしているが、資金需要が乏しく、大幅な
増加は期待できそうにない。ただ、国債利回りは想定の下限に達してお
り、一段の利回り低下は見込みにくい。相場が急伸するような場面では
利益確定売りを出すつもりだ。
今年度上期中は新発10年物国債利回りが0.63―0.95%、20年物国債が
0.95―1.40%を中心に推移すると考えている。設備投資に持ち直しの動
きがみられ、消費も底堅いため、総悲観に陥るほど景気は悪くないが、
全体にさえないことに変わりはない。ファンダメンタルズ(経済の基礎
的条件)に加え、(相場急落につながるようなことは避ける)「国債に
優しい」金融・財政政策への参加者の信頼が厚いため、債券市場では強
気の相場観が支配的だ。相場は歴史的な高値圏にあるが、過熱感はなく
、国債利回りが急上昇するとは考えにくい。新発10年債利回りが0.8%
、20年債が1.2%に接近する場面では押し目買いも検討する。
今年度は、引き続き流動性の高い残存5―7年の債券を中心に、10年
債や20年債も収益が見込めれば投資対象にする。2002年度下期は例年な
ら売りが出やすい年末に長期債、超長期債相場が堅調だったため、20年
債など期間の長い債券を積極的に組み入れた。保有債券の平均残存期間
(デュレーション)は2002年3月末時点で4年を下回っていたが、2003
年3月末では約4.5年と長くなった。
国債の利回り水準が大きく低下したため、国内普通社債(SB)には
、昨年12月まで積極的に投資してきた。ただ、株価下落が続く中で信用
リスクに対する警戒感が強まっていない現状には違和感を覚える。資産
担保証券(ABS)やクレジットリンク債も同様で、SBも含めて残高
は減らす方針だ。逆に、日本道路公団など公共事業を手掛ける財投機関
の機関債の国債利回りに対する上乗せ幅には縮小余地があると考えてい
る。情報公開も改善しつつあり、今後も購入するつもりだ。一般債全体
では3月末の持ち高を維持する。
新年度運用を聞く 流動性高い10年債が中心・三井住友銀宿沢氏
【NQN】宿沢広朗・三井住友銀行執行役員市場営業統括部長 2003年
度は債券売却益(キャピタルゲイン)を狙うより、金利差益を確保する
ことを基本方針としている。前年度に引き続き、内外の国債など信用リ
スクがゼロに近い債券を中心に投資する。円債の残高が大きい分、国内
、海外を問わず、政治・経済情勢の変化に前倒しで対応したい。
今年度は新発10年物国債利回りが0.5―1.0%を中心に推移するとみて
いる。ここまで金利が低下すると金利上昇リスクを過度に警戒しがちだ
が、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が大きく改善しない限り
、長期金利は上昇しにくい。ただ、例えば小泉純一郎政権が交代し、政
府が緊縮財政路線を転換するというリスクはゼロではない。そこで、国
内外の状況を見極めながら、シナリオの変化に応じて許容できるリスク
の量を柔軟に変えていく。
保有債券の残存期間(デュレーション)にはこだわらない。20年物国
債は流動性が劣る。債券売却益を狙うなら価格変動の大きい20年債の方
がよいが、利息収入を得るだけなら年限は必ずしも長くなくてもいい。
このため、20年債も保有しないわけではないが、10年物や5年物国債な
ど流動性の高い債券を主な投資対象にする。局面によって相対的に有利
な年限に入れ替えながら利息収入を稼ぐ。
社債は市場規模が小さく、大量には保有できない。銀行の場合、営業
や法人部門が信用リスクを取って収益を上げている。運用部門は信用リ
スクがゼロに近い内外の国債に集中する方が、銀行全体としては効率的
だと思う。
米国経済は、今年後半に回復する見方と、予想以上に悪化していると
の見方に分かれている。急激に回復するとは思えないが、どちらかとい
えば今年後半の回復期待の方が大きいようだ。足元は、雇用が回復する
かどうかに注目している。不透明要因が多すぎるため、外債運用につい
て今から方針を決めるのは難しい。