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[日経]円、「対高金利通貨安」は見極めが肝心 はしご外されるリスクも
【NQN】17日の東京外国為替市場ではユーロなどに対する円売りの勢
いが鈍っている。対ドルで円高が進んだ影響もあるが、円安・高金利通
貨高という前日までの「定石」に対して慎重な意見が出始めたためだ。
「思惑先行」――。16日の海外市場で1ユーロ=130円台後半まで円
安・
ユーロ高が進んだのを見て、ある邦銀の顧客担当者はこんな感想を漏ら
す。年金資金などの外債投資、外貨建て投資信託の新規設定などが円売
りの背景とされるものの、「現時点で国内勢の円売りが膨らんでいるわ
けではない」という。投機筋や銀行ディーラーにとっては「500万―100
0万ドルといった少額の取引でも『個人投資家や年金の円売り』の想
像を
かき立てるのに十分だ」(国内信託銀行)。4月以降に円に対する高金
利通貨の先高観が強まったのは、こうした連想が過度に増幅したことも
背景にあるようだ。
新年度入りした当初は「国内生保などが為替差損回避(ヘッジ)比率
を引き下げたり、ヘッジなしの外債投資を増やしたりする」との観測も
出た。ところが実際は「ヘッジなしの外債は即座には積み増せない」(
第一生命保険)、「為替リスクをとれる環境にはない」(農林中央金庫
)などと為替ヘッジ戦略を基本に据える投資家がまだ多い。3カ月程度
の為替予約(先物の円買い・外貨売り)を締結し、長期金利に対する短
期金利の低さを利用して先物のヘッジ費用を軽減。長短の金利差分を享
受するというものだ。このため仮に欧州債などに資金が流れ込んでも為
替相場への直接の影響はない。一方、高金利のオーストラリア、ニュー
ジーランドやカナダでは対円で為替市場の流動性が乏しく、リスクを取
りにくい面もある。
最近は海外ヘッジファンドによる「円キャリー取引」(低金利の円を
調達して高金利の外貨で運用する取引)の増加もささやかれる。しかし
キャリーの大部分は為替先物で運用する短期間の通貨取引だ。直物取引
の延長線上にあり、いつ反対の動きが出てもおかしくはない。2月に対
ユーロでの円安が加速した局面でも似たような思惑が出たが、円の売り
手は結果的にはしごを外された。この記憶がまだ生々しいだけに、円の
弱気派も高金利通貨に対する円の反動高を警戒している。(今 晶)