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[日経] 株、協会長人事巡る「よもやま」話――届かなかった武樋氏待望論
【NQN】「えっ、武樋さんじゃないの」。日本証券業協会の次期会長
に大和証券投資信託委託会長の越田弘志氏――と伝わった16日、証券界
に波紋が広がった。待望論が多く下馬評も高かったのは元野村証券常務
で現いちよし証券社長の武樋政司氏。ところがふたを開けると越田氏内
定の報道。現職の奥本英一朗氏と大和出身者が2代続くことに、市場で
は失望ともとれるため息が漏れた。
期待できそうにない――。今回の人事について感想を求められたある
市場関係者はつぶやいた。「昨年の証券税制改正論議で業界の意見をま
とめきれず、政策当局にまともに働きかけることができなかった」(国
内証券情報担当者)と評判の芳しくない奥本会長の印象が、大和出身と
いうだけで越田氏にだぶって映るという。
武樋氏への期待が高かったのは、野村証券という業界最大手出身のた
め「業界内や政・官に対する協会の影響力が陰に陽に高まる」からだ。
1997年の総会屋利益供与事件以降、野村は業界全体の旗振り役からは一
線を画し、協会長ポストから遠ざかってきた。今回の人事でも奥本氏自
身が「野村待望論があったことは推察できる」と語っている。野村本体
から出せないのなら「せめて元野村の人物」との期待が生まれ、武樋氏
待望論を醸成したと言える。
しかし願いは届かなかった。「野村は協会と距離を置き、自社の経営
基盤の拡充を優先するだろう。証券界の体力勝負がまだ終わっていない
と考えている証拠」(準大手証券幹部)と身構える声もある。実際、武
樋氏が協会長ポストに消極的だったのも「自社の経営立て直しが最重要
課題。専任職の協会長就任は不可能」(いちよし証券広報)と判断した
ためだ。
この日、日経平均株価は続伸したものの上値の重い展開だった。けん
引役不在で低迷を続ける様は証券業界の姿とも重なって見える。「65年
不況時は、証券業界を救おうと官民あげて手数料率の引き上げに合意し
たものだった」と振り返るベテラン証券マンは、「いっそ自由化を凍結
し、経済合理性のある水準まで株式委託手数料率を再び引き上げること
が最も有効な市場対策」と言い切る。新会長にはそのくらいの発言がで
きるリーダーシップを求めているということなのだろう。(永井洋一)