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ブッシュ米大統領は15日の演説で、イラク戦争の短期終結観測を受けて、今後は景気回復に全力を挙げる意向を示し、政権の最大の課題を「戦争」から「経済」に移したことをうかがわせた。ただ、戦争の重しが除かれても、米経済の先行き不安は根強く、財政、金融両面とも景気テコ入れに向けた政策余地は乏しい。大統領再選を狙うブッシュ大統領は、景気浮揚を図る「新総合経済対策」の早期施行を目指しているが、一段と難しい政策の舵(かじ)取りを迫られている。(ワシントン 天野 真志)
大統領はホワイトハウスでの演説で、「今後は成長促進と雇用創出に特に取り組まねばならない」と強調した。イラク戦争の勝利と短期終結が確実となったこの時期に、「経済最優先」の姿勢を国民に強くアピールする必要があったようだ。
確かに足もとの米経済の先行きは、雇用の悪化や設備投資の低迷が続いており、「景気回復の道筋は不確か」(ジョン・スノー財務長官)になっている。
大統領は、切り札として、大型所得税減税の前倒しや株式配当課税の撤廃を柱にした「新総合経済対策」を打ち出した。しかし、それを具体化する法案を巡り、対策規模の縮小を求める声が強まって、議会での法案の審議は暗礁に乗り上げたままだ。大統領はこのため、この日の演説で、対策規模を当初の大統領案の総額7260億ドルから、下院案と同額の5500億ドルに減額する方針を表明した。
上院では3500億ドルまで規模を減額する案を検討中で、大統領が当初案の規模にこれ以上こだわれば、調整がいよいよ難しくなると判断し、妥協案の提示で「新総合経済対策」の早期施行を目指したと言える。
しかし、戦争復興や米軍の駐留などに巨額の費用がかかる公算は大きく、野党・民主党だけでなく、与党・共和党の間でも財政悪化を懸念する声があり、経済立て直しに躍起の大統領には、逆風となりかねない。
連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策も、フェデラル・ファンド金利の誘導目標が年1・25%と約42年ぶりの低水準にあり、手詰まり感が否めない。利下げ余地の乏しくなったFRBが、新たな金融緩和策に頼らざるをえなくなるとの見方も広がっている。
(2003/4/16/22:24 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20030416ib29.htm