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[日経] 外為、「イラク油田」巡る思惑が浮上――ドルには両刃の剣?
【NQN】11日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=119円台後半で小
動き。日経平均株価がバブル経済崩壊後の安値を更新したが、円売りに
弾みがつくこともなかった。イラク戦争後の世界景気の先行きに不透明
感が広がるなか、「円、ドル、ユーロともに今後の相場展開が見通しづ
らい」と多くの参加者からはぼやきが聞こえる。そんななか、市場でひ
そかに話題を呼んでいるのがイラク油田を巡る各国の権益争いだ。
話は2000年10月にさかのぼる。イラクのフセイン政権が原油代金の受
け取りを「敵国通貨」のドル建てからユーロ建てに切り替えると宣言。
石油輸出を止めると脅し、国連安全保障理事会のイラク制裁委員会に変
更を認めさせた。米国に揺さぶりをかけるのがイラクの狙いだったが、
その裏にはフランスなど欧州各国の影がちらついたとの説も流れた。ユ
―ロが急落していたために、ユーロの信認向上を狙う欧州各国の思惑が
イラクの目的と一致したという。いまも真相は不明だが、ユーロは同年
10月下旬に対ドルで1ユーロ=0.8228ドルの史上最安値を付けた後、
回復の一途をたどっている。
米国の支援を受けたクルド人勢力は10日、イラク北部の油田地帯の要
衝キルクークを制圧。ラーソン米国務次官は「外国企業がフセイン政権
と結んだ油田開発契約などが無条件で保障されるわけではない」との見
方を示した。世界第二位の原油埋蔵量を誇るイラクの石油収入を戦費や
復興資金にあてようという米国の思惑は明白だ。フセイン政権時代に権
益獲得で先行したフランス、ロシアなどの反発は避けられないが、イラ
ク戦争で「血を流した」米国が油田権益を巡る主導権を握る可能性は高
い。UFJつばさ証券の斉藤満・金融市場調査部長は「ドル建て取引の
復活をはやしてドルが買われる場面があるだろう」と予想する。
もっとも、戦争を通じてドルが負った痛手は小さくない。米英軍は国
連安保理の承認を得ないまま対イラク攻撃を開始。大義名分となるはず
のイラクによる大量破壊兵器の保有はいまだに証明されてない。さらに
イラクの油田を巡って国際社会との亀裂が広がれば、世界的な投資家の
ドル建て資産離れが進む恐れもある。米国の油田権益獲得はドルにとっ
て「両刃の剣」と言えそうだ。(西田玲子)