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[日経] 日銀総裁:資産担保証券購入、5月上旬までにスキーム詰めたい
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投稿者 Ddog 日時 2003 年 4 月 09 日 00:07:07:ZR5JcjFY1l.PQ

[日経] 日銀総裁:資産担保証券購入、5月上旬までにスキーム詰めたい

日銀の福井俊彦総裁は8日、同日開いた金融政策決定会合で資産担保
証券を買い入れ対象とする際のスキームや市場関係者からの意見聴取な
ど新たな金融政策の手段を発表したことを受けて記者会見し、こうした
新たな手段の決定時期に関して「5月の上旬中には(市場関係者から)
きちんとコメントをもらって、その後急いで検討して最終的なスキーム
を詰めたい」と述べ、来月上旬をめどに詰めを急ぐ考えを示した。

現在の経済情勢に関して総裁は「設備投資など一部に持ち直しの動き
がみられるが、イラク情勢やアジアでの新型肺炎、重症急性呼吸器症候
群(SARS=サーズ)の影響など見極めがたい不透明感が続いている
」と述べ、景気認識は前回の決定会合から変わっていないことを指摘。
ただ、金融緩和効果が依然末端まで波及していないとして、こうした金
融緩和効果の波及経路の目詰まりを解消していく工夫が必要と説明した。

その工夫の一つとして将来の可能性が大きい資産担保証券市場に着目
したことを明らかにしたうえで「日銀が何らかの形で口火を付ける役割
を果たすことが有益である可能性が強い」と強調。発展の初期段階であ
る同証券の市場を日銀の関与で育成していくことで中小企業の資金調達
環境の改善につなげるとともに、銀行もこうした市場に貸し出し債権を
売却することで資産を圧縮でき、財務内容の改善につなげられるメリッ
トがあるとの見方を示した。

その一方で「日銀は口火を付ける役割で、深入りには自己資本との関
係でも限界がある」とも発言。新たな手段を恒久的なものとして採用す
るには限度があり、時限的なものにとどめる必要があるとの考えを示し
、買い入れが実現した場合の期間については「数年と思ってもらってい
い」と見通しを語った。

そのうえで金融緩和の目詰まり解消に向けた資産担保証券買い入れ効
果については「即効性はないが長い目でみれば可能性がある」と指摘。
長期的な視点で取り組む考えを重ねて強調した。

日銀総裁会見 一問一答(1)

――今回の決定に至った狙いと背景は

「次回の決定会合の金融調節の基本方針については直垣も含めて変わ
りはない。国内景気は設備投資など一部持ち直しの動きもあるが、一方
でイラク情勢、アジアでの新型肺炎の影響など見極めがたい不透明感が
あるので、当面の基本的な情勢判断は修正していない」
「資産担保証券市場を通じた企業金融活性化の新たなスキーム提案は
、金融緩和効果が末端に浸透するように波及経路の目詰まりを解消して
いく工夫の一つとして提案させていただく。企業関連資産を流動化して
いくスキームは、うまくつくり上げれば将来の可能性が大きい。日本銀
行が初期の段階でサポートすることができれば、市場の将来性を現実に
引き出していくことが可能ではないか」
「日本の資産流動化市場というものは揺らん期だ。日本銀行が何らか
の形で口火を付けるという役割を果たすことが有益である可能性が高い
。市場づくりと政策効果の波及経路充実とは並行して進むことなので、
市場関係者と協力していくことが非常に大事だ。これに限らず将来いろ
いろなマーケットを作っていくために、市中からもさまざまな提案が出
てくると期待している」
「もちろんクレジットリスクに足を踏み入れるのだから、あくまでも
我々は口火の役割だ。深入りすることには限界がある。時限的措置とい
うのはそういうことだ。日本銀行の自己資本との関係でも限界があるこ
とは意識しているし、政府系金融機関の協力が得られる可能性があるの
ではないかと考えている」

――資産担保証券の買い入れはいつごろまでに決定するのか

「我々は急いでいる。5月の上旬中にはコメントを頂戴して、その後急いで検討して最終的なスキームを詰めたい」

――今回の措置以外にCPや社債の買い切りなどを検討する可能性は。

「今日の会合で具体的に検討したのは発表したものだけだ。これからまた勉強していきたい」

――日銀が資産担保証券を買い取ることで中小企業まで資金が回るか道筋は。

「中小企業関係の売掛債権を市場で流動化しようというものだ。銀行にしてみると、融資をした貸出債権を流動化すると、自己資本との関係で荷物が軽くなり、新しい融資に手をつけられる。その面からも中堅中小企業に対する金融のパイプは太くなる可能性は強い。大事なことはこの市場を大きくすること。日本銀行もただオペだけの目的ではない。市場を大きくしていくという目的を見失わないでやらなくてはいけない」 

――時限措置はどのくらいの期間か。

「数カ月というほど短くはない。数年と思ってもらっていい」

――今回提案の形を取ったが、今後も政府などに積極的な提案をおこなっていくのか。

「日本銀行固有の政策手段を拡充する場合、すべてパブリックコメントにかけ
るのがいいわけではない。新しいマーケットをつくっていく場合、市場関係者の
知恵を借りた方がいいものができる。海外でも先進的な市場をつくる最初の段階
では知恵の寄せ集めが有効だと証明されている。政府との関係でも、客観的に市
場を見ながらそれぞれの役割を見いだしていくのが建設的だと思う」

――政府系金融機関の協力とは具体的にどういうものか。

「承知する限りは保証、あるいは政府系金融機関自身も何らかの形で資金提供できる余地があるかどうかの両面から検討いただけるのではないか」

――民間債務の買い切りはいつ以来か。

「従来にこうした例はあまりないのではないかと思う」――今日の会合の反対者は。
「議決のことだが、当面の金融調節、流動化スキームについても8対1だった」

――今後、不動産投資信託などについても日銀がリスクを取って買い取るのか考えは。

「一般論で申し上げると日本銀行が(市場に)入る場合、1番重要なのは価格
決定メカニズムに対して害が無いかどうかだ。これから育っていく市場の性格、
特性、どれだけの時間を経たかを勘案し、関係者の判断を十分に聞かないといけ
ない」

――日銀の財務の健全性に対する手当はどう考えるか。

「判断は大変難しい。将来のことを考えると別の形で日銀がリスクを取ってい
かなければならない経済、金融情勢があるかもしれない。ある程度余力を残しな
がら、リスクを追加的に取っていくという判断になる。このスキームの場合は中
小企業関連を中心とした資産をプールすることでリスクを削減している。完全な
予測は不能だが、将来こうむるべきリスクをカウントしながら入っていくことに
なる」

――中小企業の財務内容についてどのような考えを持っているか。

「金融政策の効果浸透を図る場合の大前提は、金融機関が被っている不良債権、企業部門の背負う過剰債務、過剰投資の調整を進めることだ。それに加えて日本銀行の金融調節手段について工夫を凝らすという二階建ての構造になっている。今日提案しているのは二階の構造のひとつだ。
「一階の部分の問題は引き続き大きく、様々な手段で問題解決を促進していく
必要がある。大企業と中小企業で処理の仕方でニュアンスが違うということで、
政府でも最近リレーションシップバンキングの考え方を出した。この考え方は日
本銀行でも今後の考査で取り入れながら対処していきたい」

――当座預金残高を引き上げるべきという議論はなかったか。

「そういう議論はあった」

――中小企業の資金繰りが対象だが、波及経路の目詰まり解消にどの程度のインパクトを与えるか。

「一夜明けたら目詰まり解消というほど即効性のあるものではないことは認め
る。しかし、中小企業を見ると売掛金債権にダイレクトにファイナンスを受けら
れる仕組みが確立していない。したがって市場がうまく発展できれば、やや長い
目でみれば非常に可能性が高い。難しくても将来の可能性があるところには挑戦
していきたい」

――対象になる資産が銀行等の自己査定による正常先に相当するとあるが、場合によって要注意先等も考慮に入れるのか。

「市場が円滑に進めば、外枠に信用度の低い資産の市場が関連してできる可能
性があり、銀行も手元がすく。要注意先以下にダイレクトな効果はないが、波及
効果は視野に入れていきたい」

――現在の資産担保証券は、対象となる企業がある程度偏った業種になっている。

「プールすることでリスクを削減するのが目玉だ。偏りのあるものだけをプー
ルしても(リスクの)削減効果はない。業種が違う、あるいはビジネスの性格が
違うなどリスクの対応が異なるものをプールに入れないといけない。そこがまさ
に市場が成功するかどうかのカギになる」

――今回は買い切りだが、売りオペができるやり方はないか。
「売りを否定している訳ではない。これからの市場づくりと日本銀行の関与の
仕方で決まってくる。とりあえずは何も持っていないから買いから入る。市場が
始まってから様子を見たい」

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